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翻訳コラム

COLUMN

第138回細胞の作製

2014.04.17
弁理士、株式会社インターブックス顧問 奥田百子

小保方さんの会見などがありましたが、STAP細胞に関して「作製」ということばが使われています。やはり細胞は「作製」なのだと思いました。
「作製」という用語について考えてみます。私も翻訳しているときに「作製」と使います。しかし「作成」とどう違うのか、というと明確には答えられません。これはパソコンの変換で最初に出てきた方を使う、という大雑把な話ではないと思います。製造工程を経てつくられるものを「作製」というと私は解釈しています。「作成する」は「文書の作成」「リンクの作成」という場面で使われますが、Googleで検索すると「細胞の作成」も使えます。
しかし細胞に関しては「作製」と使っても良いし、細胞を製造するということばも使えます。
先日紹介したSTAP細胞の特許(国際特許出願(WO/2013/163296)に" generating or producing pluripotent cells"という表現がありました。これを訳すときに、"generating or producing"を訳し分けなければいけません。「製造し、または作製する」「生成し、または作製する」のいずれの用語も使えます。
"generating or producing"とあえて記載したということは意味に違いがあるのでしょうか。"generate"は"produce"を含む広い概念で使っているのではないでしょうか。「細胞を生成する」中には、実施例で記載されているような作製も含まれるという意味で、権利を広く取るという筆者の意図の表れではないでしょうか。

ところで私がこのブログを書くにあたっていつも参考にしているサイトがパテントサロンです。パテントサロンが14回目の誕生日を迎えたとのことです。いつも知財のニュースをまとめて提供してくれるので便利です。そして今週土曜はパテントサロンのオフ会が開かれます。実は私も参加予定です。このブログの読者でいらっしゃる方がいればお会いできますね。
一つお知らせです。6月7日に著作権セミナーを開きます。これは奥田国際特許事務所の主催で事務所の会議スペースを使って行うものです。参加費用は3千円です(安いと思うのですが)。
参加者には拙著「もう知らないではすまされない著作権」をお渡しするつもりです。
また少し先の話ですが、9月に私が所属する富井翻訳サークル(富井篤先生主催)の翻訳フォーラムが箱根で開かれ、そこでも「著作権のはなし」をする予定です。

今週のポイント

  • 小保方さんの会見などがあったが、STAP細胞に関して「作製」ということばが使われている。Googleで検索しても「細胞の作成」ということばが使えることがわかる。細胞を製造するということばも使える。
    STAP細胞の特許(国際特許出願(WO/2013/163296)に" generating or producing pluripotent cells"という表現があり。これを訳すときに、"generating or producing"を訳し分け、「製造し、または作製する」「生成し、または作製する」のいずれの用語も使える。

奥田百子

「もう知らないではすまされない著作権」(奥田百子監修、中央経済社)3月19日発売!

東京都生まれ、翻訳家、執筆家、弁理士、株式会社インターブックス顧問
大学卒業の翌年、弁理士登録
2005〜2007年に工業所有権審議会臨時委員(弁理士試験委員)

著書

  • ゼロからできるアメリカ特許取得の実務と英語
  • 特許翻訳のテクニック
  • なるほど図解著作権法のしくみ
  • 国際特許出願マニュアル
  • なるほど図解商標法のしくみ
  • なるほど図解特許法のしくみ
  • こんなにおもしろい弁理士の仕事
  • だれでも弁理士になれる本
  • 改正・米国特許法のポイント