翻訳会社インターブックスは高品質な特許翻訳、契約書翻訳でニーズにお応えします

翻訳コラム

COLUMN

第154回Microsoftとサムスンの話題です

2014.08.07
弁理士、株式会社インターブックス顧問 奥田百子

Microsoftとサムスンの話題です。Microsoftがサムスンを提訴しました。理由は、サムスンがMicrosoftとのライセンス契約に違反してロイヤリティーを払っていないという理由です。
2011年にMicrosoftとサムスンはクロスライセンス契約を締結し、Androidに関連する特許についてMicrosoftにロイヤリティーを支払ってきました。しかし2013年9月にMicrosoftによるノキア買収を公表し後、サムスンはロイヤリティーを支払わなくなりました。買収や契約締結のニュースが続いたかと思うと、今度は契約違反です。
契約内容がどうなっているかは公開されていないのでわかりませんが、競合企業の買収が禁止されており、契約違反があったときは契約を契約解除できるとか、ロイヤリティーを払わなくてよいという条項があれば、Microsoftは厳しい立場になるのですが、そのような規定がなければ、サムスンの契約違反になります。
両社のクロスライセンスについては、

Microsoft New Center "Microsoft and Samsung Broaden Smartphone Partnership"(http://www.microsoft.com/en-us/news/press/2011/sep11/09-28samsungpr.aspx)

今回の提訴については、

Microsoft on the Issues “Microsoft's Samsung action"(http://blogs.microsoft.com/on-the-issues/2014/08/01/microsofts-samsung-action/)

をご覧下さい。
Nokiaを買収することにより、Nokiaの特許がMicrosoftに移転されるので、ロイヤリティーを払う必要はないとサムスンは判断したのでしょうか。しかしそれはMicrosoftとサムスンの契約には関係ありません。サムスンは契約違反をする前にこの買収についてMicrosoftと協議するべきです。
気になるのは、上記ブログ(Microsoft's Samsung action)の中で、"Samsung voluntarily entered into a legally binding contract with Microsoft to cross-license IP"と記載されていることです。サムスンがマイクロソフトとのクロスライセンス契約を「自発的に締結した」ということです。
これはサムスンの方がクロスライセンス契約に積極的であったということでしょう。それにもかかわらず、「ロイヤリティーを支払わないとは」という気持ちの表れと解釈します。

今週のポイント

  • サムスンがMicrosoftとのライセンス契約に違反してロイヤリティーを払っていないという理由でMicrosoftがサムスンを提訴した。
  • 2011年にMicrosoftとサムスンはクロスライセンス契約を締結し、サムスンはAndroidに関連する特許のロイヤリティーを支払ってきた。
  • しかし2013年9月にMicrosoftによるノキア買収を公表した後、サムスンはロイヤリティーを支払わなくなった。

奥田百子

「もう知らないではすまされない著作権」(奥田百子監修、中央経済社)3月19日発売!

東京都生まれ、翻訳家、執筆家、弁理士、株式会社インターブックス顧問
大学卒業の翌年、弁理士登録
2005〜2007年に工業所有権審議会臨時委員(弁理士試験委員)

著書

  • ゼロからできるアメリカ特許取得の実務と英語
  • 特許翻訳のテクニック
  • なるほど図解著作権法のしくみ
  • 国際特許出願マニュアル
  • なるほど図解商標法のしくみ
  • なるほど図解特許法のしくみ
  • こんなにおもしろい弁理士の仕事
  • だれでも弁理士になれる本
  • 改正・米国特許法のポイント