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翻訳コラム

COLUMN

第156回アナと雪の女王の著作権

2014.08.21
弁理士、株式会社インターブックス顧問 奥田百子

Gigazineの「ディズニーの大ヒット作「アナと雪の女王」が著作権侵害訴訟に直面」という記事(http://gigazine.net/news/20140812-frozen-trailer-copyright-infringement/?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter)を読みました。
この記事によると、アナと雪の女王の予告編がThe Snowmanというアニメに似ていることで問題になっているそうです。「構成とシーケンス」が類似しているということですが、そもそもアニメの著作権はどのように比較するのでしょうか?
キャラクターの類似が一番比較されるところです。しかしそこから先が難しいです。著作権は表現に発生するもので、アイディアは著作権にはなりません。あらすじ、ストーリー、場面設定も原則として著作権ではありません。そのような状況で果たして、構成が似ている、シーケンスが似ているということで著作権侵害といえるのでしょうか?
このサイトを見る限り、2つの漫画のキャラクター同士は類似とは言えません。
そういえば日本では、漫画「ハイスコアガール」が、別のゲームキャラクターを無断で使用したとして、スクウエア・エニックスが家宅捜索を受けるという事件が起きています。これはまさにキャラクターの類似です。
確かに写真の著作権でも構図が似ているとして争いになることはあります。しかし動画の構成とシーケンスが似ているとういだけで著作権侵害でしょうか。
しかし第一審では両者のストーリーが並列的で類似すると判断されとのことで、アメリカの著作権は厳しいという印象を受けます。前回のサルの自撮り写真著作権の問題を見ても、海外の著作権に対する思い入れはすごいものを感じます。著作権の保護が厳しすぎて産業活動さえ停滞するとの印象を私は持っているのですが、著作権が70年に延長されたら、さらにどうなるのかと不安にかられるときがあります。
著作は既存の著作物の上に成り立っていく面があり、あまり著作権を厳しくすると、創作活動が成り立たないという懸念があります。ミッキーマウス法ということばもある通り、ミッキーマウスの著作権はなかなか切れない、2003年に切れるはずだったのが延長された経緯もあり、これに代表されるようにアメリカの著作権は厳しすぎる、これがTPPで日本にも波及してくるのでしょうか。
ディズニーランドであれだけミッキーが闊歩している実情を見ると、もはやミッキーは皆のもの、著作権は公有という印象を受けるのですが・・・。
しかしアナと雪の女王もディズニーですから、今回はディズニーが著作権で苦しい立場に置かれていることになります。

今週のポイント

  • Gigazineの「ディズニーの大ヒット作「アナと雪の女王が著作権侵害訴訟に直面」という記事(http://gigazine.net/news/20140812-frozen-trailer-copyright-infringement/?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter)によると、アナと雪の女王」の予告編がThe Snowmanというアニメに似ていることで問題になっている。「構成とシーケンス」が類似しているということである。
  • 著作権は表現に発生するもので、アイディアには著作権にない。あらすじ、ストーリー、場面設定にも原則として著作権はない。
  • 日本では、漫画「ハイスコアガール」が、別のゲームキャラクターを無断で使用したとして、スクウエア・エニックスが家宅捜索を受けるという事件が起きている。これはまさにキャラクターの類似である。
  • 第一審では両者のストーリーが並列的で類似すると判断されとのことで、アメリカの著作権は厳しいという印象を受ける。

奥田百子

「もう知らないではすまされない著作権」(奥田百子監修、中央経済社)3月19日発売!

東京都生まれ、翻訳家、執筆家、弁理士、株式会社インターブックス顧問
大学卒業の翌年、弁理士登録
2005〜2007年に工業所有権審議会臨時委員(弁理士試験委員)

著書

  • ゼロからできるアメリカ特許取得の実務と英語
  • 特許翻訳のテクニック
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