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翻訳コラム

COLUMN

第162回著作権ニュースは相変わらず多い

2014.10.02
弁理士、株式会社インターブックス顧問 奥田百子

毎日流れる著作権ニュースの多さには驚くばかりです。アメリカでは飲料メーカの動画にビースティー・ボーイズの曲が使われていたということで、訴訟が起こっています。
朝日新聞の「ビースティー・ボーイズの楽曲で著作権侵害、ユニバーサルが提訴」(http://www.asahi.com/culture/reuters/CREKCN0HK0A2.html)という記事をご覧ください。
アメリカで著作権訴訟が頻繁に起こるのは、著作者の権利に対する思い入れた強いから、そして日本で最近著作権訴訟が多いのは、著作権に精通した人が少ないから、と思っていました。しかし一概にそうもいえないようです。日本でも権利意識が高まっています。
こんなときに面白い記事に出会いました。やはりまだ著作権の知識はあまり浸透していないようです。ISUMという団体の発表したある調査結果についての記事です。
「披露宴のBGMが勝手に変更されてしまうケースもー新郎新婦の7割強「著作権知らない」というマイナビニュースの記事です(http://news.mynavi.jp/articles/2014/09/24/bgm/)。

たとえば結婚式の披露宴で友達がミュージシャンの曲を演奏する、これは著作者の許諾を得なければならない、ということを知っていますか?まあ通常は、式場が許諾を得ているのですが。 ISUM(一般社団法人 音楽特定利用促進機構)という団体が設立されています(http://isum.or.jp/)。これは結婚式や披露宴で音楽を利用する場合の著作権処理を代行してくれる団体です。
結婚式、披露宴でミュージシャンの曲を演奏する、それを録音してCDにする、BGMとして曲を流すなど、音楽の様々な利用があります。他人の曲を披露宴で演奏するのは、演奏権の許諾が必要です。また録音してCDにするには録音権の許諾も必要です。またミュージシャンの曲を別の人が演奏したCDを買ってきてBGMとして流す場合、この結婚式の模様を録音するには作曲家、作詞家のみならず演奏家の許諾も必要です。
作曲家、作詞家はもちろんその曲を作詞作曲しているから著作権を持っています。そして演奏家がそれを演奏したものについては、演奏家も著作権を持っており、これをBGMとしたものをDVDやCDに録画、録音する場合は、その演奏家の著作権も許諾をもらわなければなりません。こういった権利処理を代行してくれるのがISUMという団体です。
上記記事では、披露宴のBGMが勝手に削除されたり、変更されたりするケースもある、というISUMの調査結果が紹介されています。つまりブライダル会社などに披露宴の模様をCDやDVDに録音、録画してもらうと、実際に披露宴で流れていた音楽とCDやDVDに録音録画されている音楽が違っていたり、削除されていることがある、というのです。この理由は著作権問題です。つまり披露宴の模様を録音、録画することの許諾はもらっていない場合、音楽を削除したり、別の音楽に変えることがある、というのです。
披露宴での演奏については、式場が事前に許諾を得ている場合が多いので、いままで問題にならなかっただけであり、ISUMのような団体ができると、やはり著作権を知らないとこわい、ということに改めて気づかされることになります。

ISUMの調査結果については、「最近の披露宴では「映像演出」が欠かせない!? 8割の新郎新婦が利用 披露宴での音楽著作権(複製権)について、知っていた新郎新婦は3割弱」(一般社団法人音楽特定利用促進機構)をご覧ください。 ISUMウエブサイト:http://isum.or.jp/

今週のポイント

  • アメリカでは飲料メーカのプロモーションビデオにビースティー・ボーイズの曲が使われていたということで、訴訟が起こっている。
  • たとえば結婚式の披露宴で友達がミュージシャンの曲を演奏する、これは著作者の許諾を得なければならない。
  • 結婚式、披露宴で音楽CDをBGMとして流し、この模様を録画、録音してDVDやCDにするには、複製権の許諾も必要である。作詞、作曲家の他に演奏家がいれば、演奏家の許諾も必要である。
  • 「披露宴のBGMが勝手に変更されてしまうケースもー新郎新婦の7割強「著作権知らない」というマイナビニュースの記事(http://news.mynavi.jp/articles/2014/09/24/bgm/)では、披露宴のBGMが勝手に削除されたり、変更されるケースもある、というISUMの調査結果が紹介されている。つまりブライダル会社などに披露宴の模様をDVDやCDに録画、録音してもらうと、実際に披露宴で流れていた音楽とDVDやCDに録画、録音されている音楽が違っていたり、削除されていることがある。これは録音、録画することまで著作者の許諾を得ていないからである。

奥田百子

「もう知らないではすまされない著作権」(奥田百子監修、中央経済社)3月19日発売!

東京都生まれ、翻訳家、執筆家、弁理士、株式会社インターブックス顧問
大学卒業の翌年、弁理士登録
2005〜2007年に工業所有権審議会臨時委員(弁理士試験委員)

著書