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翻訳コラム

COLUMN

第170回Appleがまた窮地に立たされています

2014.11.27
弁理士、株式会社インターブックス顧問 奥田百子

Appleがまた窮地に立たされています。前回はポケベルの特許侵害で27億円もの損害賠償を命じられるとのニュースでしたが、日本の中堅企業である島野製作所から訴えられました。同社は「アップルに対する訴訟の提起のお知らせ」を出しています。
企業の規模に関係なく提訴が行われ、勝敗が決まるのが特許の世界です。
島野製作所のお知らせには、独禁法違反等や特許侵害としか書いてありませんが、J CASTニュースの以下の記事によると、Appleが島野製作所がある製品を発注し、良好な関係を築いていたが、半年後に受注を半減し、別のメーカーに作らせたうえに、島野製作所の特許権を侵害しているというのです。

アップルの「俺様」ぶりに日本企業が怒った不当な値下げ要求に「特許侵害」・・・提訴
(http://www.j-cast.com/2014/11/18221177.html?p=all)

ダイヤモンドオンラインの

「日本の中小企業が訴えたアップルの"横暴"の内幕」
http://diamond.jp/articles/-/61107

にも出ています。

企業の規模に関わらず、ということで思い出した話があります。Robert Kearns氏というアメリカの個人発明家がFordやChryslerなどアメリカの名だたる自動車会社を訴えた話です。間欠ワイパー(intermittent windshield wiper)に特許です。この発明家であるKerns氏が特許を侵害されたとしてFordなどを訴え、億単位の金額を勝ち取った事件です。
そしてこの事件を綴ったFlash of Geniusという本があります。邦題は「幸せのきずな」ですが、このタイトルを訳すと「天才のひらめき」です。映画化されましたが、日本では公開されておらず、翻訳本も出ていない。

http://www.amazon.co.jp/Flash-of-Genius-Import-allemand/dp/B002NJ9AMK/ref=sr_1_4?ie=UTF8&qid=1417070598&sr=8-4&keywords=flash+of+genius

このように個人や中堅企業が大企業を訴えるのは、特許ならではのことではのことです。技術の優秀さは企業の規模に関係ないからです。発明の分野にもよりますが、何億円もする設備を使わずとも、個人の思いつきで発明がなされることがあります。大企業もこうした個人や中堅企業のアイディアに頼らざるを得ないことがあるのです。まさに「天才のひらめき」は規模に関係ありません。

今週のポイント

  • Appleが島野製作所から訴えられた。同社は「アップルに対する訴訟の提起のお知らせ」を出している。独禁法違反等や特許権侵害が理由とのことである。
  • 企業の規模に関係なし、といえば、Robert Kearns氏というアメリカの個人発明家がFordやChryslerなどアメリカの名だたる自動車会社を訴えた話がある。間欠ワイパー(intermittent windshield wiper)の発明家であるKerns氏が特許を侵害されたとしてFordなどを訴え、億単位を勝ち取った事件である。
    そしてこの事件を綴ったFlash of Geniusという本(邦題は「幸せのきずな」)がある。映画化されたが、日本では公開されておらず、この本の翻訳本も出ていない。

奥田百子

「もう知らないではすまされない著作権」(奥田百子監修、中央経済社)3月19日発売!

東京都生まれ、翻訳家、執筆家、弁理士、株式会社インターブックス顧問
大学卒業の翌年、弁理士登録
2005〜2007年に工業所有権審議会臨時委員(弁理士試験委員)

著書