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翻訳コラム

COLUMN

第173回世界全体の特許出願で中国がトップ

2014.12.18
弁理士、株式会社インターブックス顧問 奥田百子

不況、そして特許件数の落ち込みは中国には当てはまらないようです。WIPOが発表した以下の資料によると、2013年の世界全体の特許出願件数は約260万件でした。そして出願件数の多い国トップ3は、中国、アメリカ、日本です。

“Global Intellectual Property Filings Up in 2013, China Drives Patent Application Growth"
http://www.wipo.int/pressroom/en/articles/2014/article_0018.html

日本特許庁への出願は2013年は328,436件でした。上記資料によると、中国は世界の32.1%の出願件数を占めているとのことで、今や中国は特許大国です。世界全体の特許出願の伸びは中国の寄与によるところが大きいです。
日本が全世界の4割を占めている、などと言われた時代もありました。今は「特許大国日本」と言えるでしょうか?
日本の特許出願件数はなぜ減少したのか?という問いに対して、独占に対する懐疑の念が起こってきたから、と私は考えていました。つまりお金をかけて特許を取る意味に人々が疑問を感じ初めているからです。しかしそうであれば、世界全体の出願件数も減少するはずです。しかし上記資料では、世界全体の特許出願件数は、2012年から9%も増加しています。
やはり出願件数の落ち込みは日本特有の問題です。世界的な不況といっても中国は特許の世界では元気です。
その一方で商標の分野では中国からの模倣品の流入という問題があることも事実です。またアメリカにはパテントトロールの横行という問題があります。2011年アメリカ特許法改正は、停滞したアメリカ特許業界を再び活性化させるという役割も担っていました。
特許庁の特許行政年次報告書(2014版)第1部第1章2ページによると、日本特許庁を受理官庁とするPCT出願は増え続けています。とはいっても2013年に日本を受理官庁としたPCT出願は43,075件であり(http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/nenji/nenpou2014_index.htm)、国内出願の約10分の1です。したがって日本特許庁への日本国内からの出願、及びPCT出願による日本への国内移行が望まれます。
日本特許庁になされた出願件数は、日本市場の魅力を表していると思われます。中国がトップということは、中国は魅力ある市場ということです。
職務発明を会社のものとする特許法改正が実現すると、日本での特許出願件数減少に拍車がかかる可能性があります。日本も特許業界が活性化する法律の実現や制度などが望まれます。
中国の躍進に感心している場合ではありません。日本では特に特許業界では問題点が見当たらず、このような問題のない特許業界が国際出願という形だけではなく、国内でも再び活性化することを願っています。外国人からも日本が魅力ある市場ということになれば、PCT出願での日本への国内移行も増え、日本が世界全体の特許出願件数の半分近くを占める日が再来するかもしれません。日本のプロパテントが望まれます。

今週のポイント

  • WIPOが発表した2013年の世界全体の特許出願件数は約260万件であった。そして出願件数の多い国トップ3は、中国、アメリカ、日本である。
    これはWIPOによる"Global Intellectual Property Filings Up in 2013, China Drives Patent Application Growth" (http://www.wipo.int/pressroom/en/articles/2014/article_0018.html)の発表による。
  • 資料によると、中国は世界の32.1%の出願件数を占めているとのことで、今や中国は特許大国である。世界全体の特許出願件数は、2012年から9%も増加しているとのことである。これは中国による寄与が大きい。
  • 特許庁の行政年次報告書(2014版)第1部第1章2ページによると、日本特許庁を受理官庁とするPCT出願は増え続けている。とはいっても2013年に日本を受理官庁としたPCT出願は43,075件である(http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/nenji/nenpou2014_index.htm)。日本も特許業界が活性化する法律の実現や制度などが望まれる。
  • 外国人からも日本が魅力ある市場ということになれば、PCT出願での日本への国内移行も増え、日本が世界全体の特許出願件数の半分近くを占める日が再来するかもしれない。日本のプロパテントが望まれる。

奥田百子

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東京都生まれ、翻訳家、執筆家、弁理士、株式会社インターブックス顧問
大学卒業の翌年、弁理士登録
2005〜2007年に工業所有権審議会臨時委員(弁理士試験委員)

著書