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翻訳コラム

COLUMN

第278回連動文アレコレ

2016.03.16
通訳・翻訳家 伊藤祥雄

例えば:

我去中国学习中文。
wŏ qù zhōng guó xué xí zhōng wén
私は中国に行って中国語を勉強する。
(私は中国語を勉強しに中国に行く。)

この文は「我」という主語に対して「去中国」と「学习中文」という2つの動詞句が述語として並んでいます。しかもこの2つの行動(「中国に行く」と「中国語を勉強する」)は別々の関係ない行動ではなく、一連の行動です。こういうのを連動文というのでしたね。覚えていますか?

さて、では「私は中国語を勉強しに中国に行ったことがある。」と、経験の意味を含ませたいとなると、どうすればいいでしょうか。

方法としては、動詞に「过 guo」をつければいいのですが、連動文の場合は動詞が2個以上あるわけです。上記の文だと動詞は2個ですね。さて、どちらの動詞につければいいか分かりますか?

日本語だと「行ったことがある」となっているので、「行く」という意味の「去」に「过」をつけて

我去过中国学习中文。

としたくなる人が多いような印象がありますが、実はそうではないのですね。正しくは:

我去中国学习过中文。

そう。後の方の動詞「学习」に「过」をつけることになっています。

それはなぜか。簡単です。後の動詞のほうが大事だからです(笑)。

「中国に行く」という行動と、「中国語を勉強する」という行動、この人にとってはどちらが主目的ですか?答えは簡単ですね。「中国語を勉強する」のが主目的であるはずです。「中国に行く」のは手段ですよね。お分かりでしょうか。

同じように、完了の「了」も後の動詞句につけます。例えば:

我去上海买了三本中文杂志。
wŏ qù shàng hăi măi le sān běn zhōng wén zá zhì
私は上海に行って中国語の雑誌を3冊買いました。

日本語は「〜に行って・・・した」という場合と「・・・しに〜に行った」という場合がありますが、中国語に訳すとどちらも連動文になります。後者の日本語の場合、要注意ですね。「行った」となっていますが、「了」や「過」をつけるのは、後の方の動詞句だと覚えておいてください。

しかし、否定文はどうなるか、これまた不思議なことが起こります。

「私は本を買いに新宿に行っていません。」を中国語にしてみましょう。

我没去新宿买书。
wŏ méi qù xīn sù măi shū

そう、否定の言葉(「没」や「不」)は、前の動詞の前に置くのですね!

これは、二つの行動が一連の行動なので、両方を一度に否定しなければならないからです。

中国語は前にあるものが後にあるものを支配する傾向にあるので、否定の言葉は動詞の前に置くのですが、連動文の場合は前の方の動詞の前に否定の言葉を置けば、その後にある動詞句も一緒に否定することができるのです。これをもし後の方の動詞だけを否定して「我去新宿没买书。」と言うと(こんな言い方はありませんが)「新宿には行ったけど本は買わなかったのかな?」ということになってしまうのですね。(実際にはこんな言い方はせずに、「我去了新宿,但是没买书。」のように言うと思います。)

連動文もちょっと踏み込むと、色々ありますね。でも中国語にはそれなりの論理があって、僕はこういうの面白いです。皆さんはどうですか?

伊藤祥雄

1968年生まれ 兵庫県出身
大阪外国語大学 外国語学部 中国語学科卒業、在学中に北京師範大学中文系留学、大阪大学大学院 文学研究科 博士前期課程修了
サイマルアカデミー中国語通訳者養成コース修了

通訳・翻訳業を行うかたわら、中国語講師、NHK国際放送局の中国語放送の番組作成、ナレーションを担当

著書

  • 文法から学べる中国語
  • 中国語!聞き取り・書き取りドリル
  • CD付き 文法から学べる中国語ドリル
  • 中国語検定対策4級問題集
  • 中国語検定対策3級問題集
  • ぜったい通じるカンタンフレーズで中国語がスラスラ話せる本