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翻訳コラム

COLUMN

第289回から

2016.06.01
通訳・翻訳家 伊藤祥雄

中国語を話そうとする時、日本語に引きずられて日本語的な表現をしてしまうことってありますよね。何語にもその言語らしい表現というのがあり、文法的に間違っていなくても「ふつうはこうは言わない」ということがどうしても出てきます。

そのうちの一つに「〜から」があります。

日本語の「〜から」は、出発点、起点をさしますね。例えば「学校から帰る」と言った場合「学校を出発して帰る」ということで、学校が出発点です。「5時から始まる」と言えば「5時を起点として何かが始まる」ということで、5時が起点です。

この「〜から」は中国語では「从 cóng」という前置詞で表せますね。

しかし、実は、日本語では「〜から」と言っているのに中国語では「从」と言わないほうがいいこともあるようです。例えば:

「わたしは明日から北京に行きます。」

この日本語を中国語に訳すと、どうなりましょうか。

僕は、以前はよく「我从明天去北京。」とやっていたのですが、こう言う場合「从」はなくてもいいみたいです。つまり:

我明天去北京。
wŏ míng tiān qù běi jīng
(直訳:私は明日北京に行きます。)

最初、どうして「从」がなくてもいいのか理解できなかったのですが、よ〜く考えてみると分かりました。「明日から北京に行く」も「明日北京に行く」も結局同じことなんですよね。逆にどうして日本語では「明日から北京に行く」という言い方があるのかと言いたくなるくらいです(笑)。

日本語では「から」を使うと、その後もその行動・行為が続く感じが出ますね。

「明日北京に行く」というと、「明日北京に行く」という行為しか伝わってきませんが「明日から北京に行く」と言えば、「明日北京に行ってしばらく滞在する」ということが少し見えてきます。

でも「明日北京に行く」という行為は瞬間的に終わることはあまり無いので「明日北京に行く」とだけ言っても「その後しばらく滞在する」ことは実際問題としては容易に想像できます。ですから、多くの場合「明日北京に行く」と「明日から北京に行く」はほぼ同義です(日帰りするとなると、「明日から北京に行く」とは言えなくなりますけどね)。

中国語って、基本的に相手に想像させることはあまりしません。だから「明日北京に行く」という事実だけ言えば事足ります。その後何日滞在するか、すぐ帰るのか、それは必要があればまた言葉を足して言えばいいのです。

だから、日本語で「いつから行くの?」「明日から行くんだ」というようなやり取りをする場合は、中国語に訳すのであれば「什么时候去?(直訳:いつ行くの?)」「明天去。(直訳:明日行くんだ。)」でいいのです。

他にも同様のことがたくさんあると思います。中国語らしい中国語を目指してお互い頑張りましょうね〜!

伊藤祥雄

1968年生まれ 兵庫県出身
大阪外国語大学 外国語学部 中国語学科卒業、在学中に北京師範大学中文系留学、大阪大学大学院 文学研究科 博士前期課程修了
サイマルアカデミー中国語通訳者養成コース修了

通訳・翻訳業を行うかたわら、中国語講師、NHK国際放送局の中国語放送の番組作成、ナレーションを担当

著書

  • 文法から学べる中国語
  • 中国語!聞き取り・書き取りドリル
  • CD付き 文法から学べる中国語ドリル
  • 中国語検定対策4級問題集
  • 中国語検定対策3級問題集
  • ぜったい通じるカンタンフレーズで中国語がスラスラ話せる本

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