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翻訳コラム

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第326回宗教

2017.03.01
通訳・翻訳家 伊藤祥雄

4月8日って何の日かご存知ですか?

ピンと来る人はあまりいないかもしれませんねぇ。実はお釈迦様の誕生日、いわゆる「花まつり」の日です。

僕はお寺に生まれ育ったので4月8日と言えば花まつり、甘茶を飲む日、というイメージなのですが、お寺を出て一般の生活(?)をしていると、花まつりの話題を周りで聞くことは滅多にありません。日本は敬虔なクリスチャンがそんなに多いとは思わないのですが、それでもイエス様の誕生日であるクリスマスはみんな知っているというのに、敬虔ではないにしても家の宗教は仏教だという人が圧倒的に多いにも関わらず、お釈迦様の誕生日をほとんどの人が知らないというこの現実は、仏教界の怠慢以外の何物でもないですね(笑)。

ちなみに中国でも花まつりはあるようです。ただし、旧暦の4月8日に行うようです。中国語では:

浴佛节
yù fó jié

ということが多いようですかね。

どんな活動をしているのかよく知りませんが、ネットで見る限りは日本のやり方と似ていて、右手で天を指差し左手で地を指差す子供の姿のお釈迦様の立像に何かの液体を柄杓でかけているような画像がいくつか出てきました。日本では甘茶をかけますが、中国では何をかけているのかな?

さて、前置きが長くなりましたが、中国という国は共産主義なので基本的に宗教はあまり盛んではありません。でも文化大革命の時のように、お寺や教会を破壊したりするようなことは今はなく、宗教を信じている人も増えているようですし、お寺も教会もモスクもあります。

今日はちょっと宗教に関する中国語の語彙などを紹介してみようかなと思います。

仏教

とりあえず伊藤の得意分野(笑)、仏教からまいりましょう。

そもそも仏教って中国語では何というかというと、そのままでいいのですが、こんな字を書きます。

佛教
fó jiào

そう、「仏」という字の簡体字は、昔ながらの「佛」という字のままなのですね。それから、仏教の開祖であるお釈迦様はこうです。

释迦牟尼
shì jiā móu ní

中国語のほうが複雑ですね(笑)。実は日本で言う「釈迦」は「釈迦牟尼(しゃかむに)」の「牟尼」を省略してしまったのですね。でも「釈迦」だけだとお釈迦様の出身部族の名前でしかありません。「牟尼」はサンスクリット語ではmuniと言い、「賢者、聖者」というような意味です。つまり「釈迦牟尼」とは「釈迦族の賢者」といった意味なのです。だから「牟尼」をとっちゃったらダメなんですけどね〜(笑)。その点中国語の方がちゃんとしていますね。

では、お経のことは?

佛经
fó jīng

仏教の教えを書いた書物はサンスクリット語では「suutra スートラ」と言います。原義は「縦糸」です。機織りをする時、機織り機にはまず縦糸を張りますよね?そこに横糸を通していって布が出来上がるわけですから、布の基礎は縦糸なわけです。つまり仏教の教え全体を一枚の布だとすると、スートラはその基礎の基礎である縦糸のようなものだ、ということです。

そして、お経の「経」という字は、なんとこれもまた「縦糸」という意味があります。つまり「経」はスートラの直訳だったのですね!僕は何も疑問を持たず、「お経」という言葉を使っていましたが、実はインドから入った外来語だったというわけです。

では、お坊さんのことはなんと言いますかね?いくつか言い方はありますが、以下のような言葉が一般にはよく使われているように思います。

和尚
hé shang

この言葉、日本語だと「おしょう」と読み、お寺の住職のようなイメージですが、中国語では普通にお坊さんの意味で、住職でなくとも使えるようです。

おや、長くなってしまいました(笑)。キリスト教やイスラム教についても書こうと思っていたのですが、それはまた次回に回そうと思います。

伊藤祥雄

1968年生まれ 兵庫県出身
大阪外国語大学 外国語学部 中国語学科卒業、在学中に北京師範大学中文系留学、大阪大学大学院 文学研究科 博士前期課程修了
サイマルアカデミー中国語通訳者養成コース修了

通訳・翻訳業を行うかたわら、中国語講師、NHK国際放送局の中国語放送の番組作成、ナレーションを担当

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