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翻訳コラム

COLUMN

第345回第3声が続くと

2017.07.19
通訳・翻訳家 伊藤祥雄

皆さんご存知の通り(?)、僕はいくつかの場所で生徒さんに中国語をお教えしています。

生徒さんたち、やはり第3声には苦労されていますね。

4つある声調の中で、第3声だけは前後の状況により変化することがあります。それがことを余計にややこしくしているのでしょうか。

中国語を始めて半年や1年になっても、まだまだ皆さん慣れていない様子です。いえいえ、2年目3年目の生徒さんでも、僕が時々「ここは第3声と第3声が並んでいるから、前の方の第3声は第2声になりますよね」と言うとテキストにカリカリ書きこむ音がするのです。え?いまだに?(笑)

第3声が2つ並ぶと前の方の第3声が第2声になることは、例外なく起こる現象なので、僕から何も言われなくても自分で判断してくれればいいんだよ!君たち!!(笑)

でも第3声がいくつも並ぶと、判断に迷うかもしれませんね。たとえば:

给我五个。
gěi wŏ wŭ ge
私に5つください。

「给」も「我」も「五」も第3声の字ですね。この場合、どうやって読めばいいのでしょうか。

まず、こういう場合は、後ろから数えていきます。後ろから数えて1番目の第3声の字(この場合は「五」)は必ず第3声で読みます。当たり前ですね(笑)。

後ろから数えて2番目の第3声の字(この場合は「我」)は必ず第2声で読みます。

後ろから数えて3番目の第3声の字はちょっと状況を判断しなければなりません。というのは、後ろから数えて2番目の字が既に第2声で読むことが決まっていますから、その前の第3声は果たして第2声に変化するのか、それとも変化しないのか、どちらでもいいのか、その判断が必要になってくるのです。

例えば今回の場合は、「给我」で1つの意味の固まりを形成していますから「给」は必ず第2声で読みます。「给我五个」と読む時、「我」が第2声になりますから、「给」は第3声のままでいいのではないの?と思う人もいるかもしれませんが、もしこれを第3声で読んでしまうと「给我」が「第3声+第2声」というような組み合わせになってしまい、聞いている人からすると「给我」と言っているように聞こえないのです。ですからこの「给」は必ず第2声で読まなければなりません。

結果的にこの「给我五个」の実際の発音は、こうなります。

给我五个。
géi wó wŭ ge

では次の例はどうでしょうか。

我比你大。
wŏ bĭ nĭ dà
私はあなたより年上だ。

一番後ろの第3声である「你」は必ず第3声で読み、後ろから2番目の第3声の字「比」は必ず第2声になりますね。ではその前にある「我」はどうなるでしょうか。

これも意味の固まりで考えてみましょう。やはりこれは「我(私)」と「比你(あなたより)」に分けられますよね。つまり「我」と「比你」の間で少し切れますから、「我比」とくっつけなければならない強制力がありません。だから「我」は第3声で読んでも構いません。また「比」が第3声の字だという意識が強ければ、反応を起こして「我」も第2声に変化してしまうこともありえます。つまりこの場合は「我」は第2声でも第3声でもいいのですね。

では、こんな文はどうでしょうか。

李勇比我小九岁。
lĭ yŏng bĭ wŏ xiăo jiŭ suì
李勇は私より9歳下です。

最後の「岁」以外は全て第3声です!

やはり後ろから数えてみましょう。最後の第3声である「九」は必ず第3声、その前の「小」は必ず第2声で読まれます。次に意味の固まりを考えてみますと、こんなふうになるでしょうか。

李勇 / 比我 / 小 / 九岁

「李勇」はこれで1つの人名ですから「李」と「勇」の結びつきは非常に強いです。ですから「李」は必ず第2声になります。しかし「勇」と「比」は意味がはっきり区切れていますから、「勇」は第2声に変化させずに発音する人が多いと思います。。

「比我」は1つの意味の固まりを形成していますから「比」は必ず第2声で読みます。しかし「我」と「小」は少し意味が区切れていますから、「我」は第2声になる人と第3声のままの人がいると思います。

まとめると、こんな感じですかね?実際の発音を書いてみます。

lí yŏng bí wŏ xiáo jiŭ suì
もしくは
lí yŏng bí wó xiáo jiŭ suì

ややこしいことを書きましたが、慣れてくると特に考えなくても自然に変調させることができるようになってきます。実際の発音をよく聞いて、自分でも発音してみて、身体で覚えるようにしていってくださいね。

伊藤祥雄

1968年生まれ 兵庫県出身
大阪外国語大学 外国語学部 中国語学科卒業、在学中に北京師範大学中文系留学、大阪大学大学院 文学研究科 博士前期課程修了
サイマルアカデミー中国語通訳者養成コース修了

通訳・翻訳業を行うかたわら、中国語講師、NHK国際放送局の中国語放送の番組作成、ナレーションを担当

著書

  • 文法から学べる中国語
  • 中国語!聞き取り・書き取りドリル
  • CD付き 文法から学べる中国語ドリル
  • 中国語検定対策4級問題集
  • 中国語検定対策3級問題集
  • ぜったい通じるカンタンフレーズで中国語がスラスラ話せる本

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