翻訳会社インターブックスは高品質な特許翻訳、契約書翻訳でニーズにお応えします

翻訳コラム

COLUMN

第22回特許法条約つづき

2015.07.30
弁理士、株式会社インターブックス顧問 奥田百子

特許法条約(PLT)に加入するために、日本の特許法が改正されることを前回伝えました。PLTは出願の統一化を目的としており、PCTが方式統一条約であることとも共通するのですが、PLTはさらに簡素化の要素が加わっています。
明細書と認められる部分、明示又は黙示の出願の意思、出願人又はその連絡先の表示があれば出願日が認定される、とPLT5条に規定されています。これはクレームがなくても出願日が認定されることを意味しています。
さらに明細書はいかなる言語でも提出できる、と規定されています。つまり日本語で記載した明細書さえあれば、クレームがなくても外国に出願できるということです。
「クレームなしで出願日確保」のことばで思い浮んだのは、アメリカの仮出願です。アメリカの仮出願は特許法条約を既に実践しています。

そして今回日本の特許法も改正されますが、新特許法38条の2には、明細書が添付されていない場合は、出願日の認定がされず、明細書を補完でき、補完の日が出願日と認定されることが規定されています。
これとPLTの整合性はどうでしょうか?
明細書が添付されていない場合は出願日が認定されない、ということは、クレームが添付されていなくても出願日が認定されるということです。しかも添付されていない明細書は補完できます。逆にいうと、明細書が補完されるまで出願日は認定されないということです。この点でPLTとの整合性はとれています。

翻訳

As I informed you in my previous blog, the Japanese Patent Act will be amended in order to join the Patent Law Treaty (PLT). The PLT targets unification of application procedures, which is common with Patent Cooperation Treaty (PCT) as the treaty for unifying formalities, but the PLT adds simplification to the procedure.
Article 5 of the PLT provides that an application date shall be found provided that the part which appears to be the specification, an explicit or implicit intention to file an application, and an indication of an applicant or an applicant's contact address are present. This means that an application date may be found without claims.
The specification may be filed in any language. Namely, a foreign application may be filed only with the specification in Japanese.
A phrase of “securing an application date without claims" reminds me of the U.S. provisional application. The U.S. provisional application has already implemented simplification of procedures.
As the Japanese Patent Act will soon be amended, it provides that an application date shall not be found without any specification, and the lacking specification may be supplemented under the new Article 38-2.
I wonder if this provision is consistent with the PLT.
Without claims, an application date may be found, and the lacking specification may be supplemented, and the date of supplement shall be regarded as the application date, which means that without the specification, an application date shall not be found. Conversely, the application date shall not be found until the specification is supplemented. This is consistent with the PLT.

奥田百子

「もう知らないではすまされない著作権」(奥田百子監修、中央経済社)3月19日発売!

東京都生まれ、翻訳家、執筆家、弁理士、株式会社インターブックス顧問
大学卒業の翌年、弁理士登録
2005〜2007年に工業所有権審議会臨時委員(弁理士試験委員)

著書

  • ゼロからできるアメリカ特許取得の実務と英語
  • 特許翻訳のテクニック
  • なるほど図解著作権法のしくみ
  • 国際特許出願マニュアル
  • なるほど図解商標法のしくみ
  • なるほど図解特許法のしくみ
  • こんなにおもしろい弁理士の仕事
  • だれでも弁理士になれる本
  • 改正・米国特許法のポイント