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翻訳コラム

COLUMN

第66回PCT規則改正の第2回目

2016.07.14
弁理士、株式会社インターブックス顧問 奥田百子

今日はPCT規則改正の第2回目です。前回は平成26年改正でしたが、今回は平成27年改正です。平成27年は主に3つの改正がありましたが、今日は一つだけ説明します。

PCTで国際出願する際に優先権主張することができますが、優先期間満了後に国際出願する場合には、優先権の回復という手続きをとることができます。
PCTに詳しくない方のために具体例を挙げます。
例、日本の会社が日本に行った特許出願があり、これと同じ内容の特許出願を外国に行う場合、パリ条約の優先権を通常、利用します。
日本の会社は日本特許庁を受理官庁として国際出願するのが通常ですが、このときパリ条約の優先権主張をすると、基礎となる日本出願の時点で新規性、進歩性が判断されるというメリットを得られます。
優先期間は1年ですから、日本特許出願から1年以内に優先権主張して国際出願します。しかし天災などやむをえない理由で優先期間を逃した場合でも、優先権の期間満了から2ヶ月以内の国際出願であれば優先権の回復が認められます。
回復の請求は指定官庁に行います。なぜかということ、特許を取りたいのはこの例では日本ではなく外国であり、優先権主張する第2国です。その国の官庁に回復請求を行います。回復が認められる基準は各指定国で異なります。相当の注意を払ったが、優先期間を逃してしまった場合(厳格な基準)、故意でさえなければよい(緩やかな基準)など様々です(PCT規則49の3.2(a))。

回復の請求は国内移行期間(優先日から30ヶ月)満了後1ヶ月以内に指定官庁に行います。国内移行期間は指定官庁は審査を開始することができません。翻訳文提出など国内移行に必要な手続を出願人が行うための期間だからです。
しかし国内移行期間満了前であっても出願人は早期審査の請求が可能であり、このときは指定官庁は審査を開始できます。
早期審査の請求があったときは、指定官庁がその請求受領の日から1ヶ月以内に優先権回復の請求ができる、と明確に規定したのが今回の改正です(PCT規則49の3.2(b))。

奥田百子

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東京都生まれ、翻訳家、執筆家、弁理士、株式会社インターブックス顧問
大学卒業の翌年、弁理士登録
2005〜2007年に工業所有権審議会臨時委員(弁理士試験委員)

著書

  • ゼロからできるアメリカ特許取得の実務と英語
  • 特許翻訳のテクニック
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