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翻訳コラム

COLUMN

第111回クレームの用語

2017.08.10
弁理士、株式会社インターブックス顧問 奥田百子

クレームに「など」ということばは使いません。どこまでを指すか曖昧になるからです。たとえば「入力手段などを備えたユーザ端末」という場合、入力装置のほかに何を含むかが不明確だからです。これはクレームの明確性の原則に反します。
しかし「ジョイスティックなどの入力手段を備えるユーザ端末」はどうでしょうか。これは不明確ではありません。入力手段という枠が設定されており、このなかでたとえばジョイスティックが挙げられているからです。
「少なくともジョイスティックを含む入力手段」はどうでしょうか。これも不明確ではありません。ジョイスティックは必ず含んでいて欲しい入力手段を意味し、これも入力手段という枠を設定しているからです。
同様の理由で、「入力手段、たとえばジョイスティック」も不明確ではありません。
入力手段をタッチパネル、ジョイスティック、キーボードの3つに限定したい場合は、
「タッチパネル、ジョイスティック、キーボードという入力手段」と記載し、入力したくない場合は「タッチパネル、ジョイスティック、キーボードを含む入力手段」と記載します。
クレームは特許権の範囲を画定するため、曖昧な用語は一切認められず、細心の注意が必要です。

翻訳

The word “etc.," shall not be used in patent claims because it is unclear what this word means. For example, the phrase “input means" in the phrase “a user terminal having input means" makes it vague what elements other than the input means are included in patent claims. This is against the rule of definiteness of patent claims.
How about the expression “a user having input means such as a joystick"? This is not indefinite because “input means" as a frame is defined, one of which is a joystick.
How about the expression “input means including at least a joystick"? This is not indefinite either because it also defines an input means as a frame that should necessarily include a joystick.
By the same reason, “input means, for example, a joystick" is not indefinite.
If input means want to be limited to “a touch panel, a joystick and a keyboard", “input means namely a touch panel, a joystick and a keyboard" shall be stated and if they do not want to be limited to them, “input means including a touch panel, a joystick and a keyboard" shall be stated.
Claims define the scope of a patent right; such right should not be vague and should be carefully drafted.

奥田百子

「もう知らないではすまされない著作権」(奥田百子監修、中央経済社)3月19日発売!

東京都生まれ、翻訳家、執筆家、弁理士、株式会社インターブックス顧問
大学卒業の翌年、弁理士登録
2005〜2007年に工業所有権審議会臨時委員(弁理士試験委員)

著書

  • ゼロからできるアメリカ特許取得の実務と英語
  • 特許翻訳のテクニック
  • なるほど図解著作権法のしくみ
  • 国際特許出願マニュアル
  • なるほど図解商標法のしくみ
  • なるほど図解特許法のしくみ
  • こんなにおもしろい弁理士の仕事
  • だれでも弁理士になれる本
  • 改正・米国特許法のポイント