

2011年 9月 10日(土曜日) 00:00
「本書の刊行に当たって」より
アメリカのオーラルヒストリアン、ヴァレリー・R・ヤウによるRecording Oral History: A Guide for the Humanities and Social Sciences, Second Edition(2005年出版)の翻訳書。初版は1994年に出版され、オーラルヒストリーを学び、実践する研究者が行うべき綿密なインタビューの手法から始まり、史資料としての保存、公開に至る実践のためのテキストとして高い評価を得た。この初版と2005年に出版された第2版の際立った違いは、初版が世に出て以降のオーラルヒストリーの学問的正当性を問う2つの大きな論点、すなわち語り手の証言あるいは語りの記録の正確さにかかる人間の記憶という問題と、収集されたオーラルヒストリー資料の分析、解釈についての論述を2つの章として新たに設けた点にある。また第2版発刊にむけて、ロナルド・グリーリーや、アレッサンドロ・ポルテリをはじめとするオーラルヒストリー分野の先駆的役割を担ってきた歴史家や社会学者、その他オーラルヒストリーに関連する分野の専門家が原稿に目を通し、彼らの視点や指摘が本書に反映されていることも、総合入門書としての価値を高めたと言えるだろう。

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