2025.05.13更新
翻訳外注ノウハウ

【翻訳支援ツールとは?】導入メリット・注意点・主なツールを徹底解説!

【翻訳支援ツールを使った翻訳】メリットと使用上の注意

翻訳を外注しようと調べていると、「翻訳支援ツール(CATツール)」という言葉を目にすることがあるかもしれません。「自動翻訳と何が違うの?」「導入するとどんな効果があるの?」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。翻訳支援ツールは、翻訳の効率化や品質の安定化に大きく貢献するプロ向けのソフトウェアです。特にマニュアルや契約書など定型的な文書では、コスト削減や納期短縮といった大きなメリットが得られます。

本記事では、翻訳支援ツールの基本的な仕組みから導入メリット、適した文書や注意点、主要ツールの特徴まで、ビジネス翻訳を成功に導くためのポイントを詳しく解説します。

翻訳支援ツールとは?

「翻訳支援ツール」とは、翻訳作業の効率化と品質の安定化を目的としたソフトウェアで、翻訳メモリ(TM)や用語ベース(TB)などの機能を搭載しています。英語ではCATツール(Computer Assisted Translation)とも呼ばれ、TradosやPhraseといった業界標準ツールが存在します。

自動翻訳(機械翻訳)と混同されがちですが、CATツールはあくまで“翻訳者の支援”を目的としたツールであり、翻訳の主体は人間です。特に、マニュアルや契約書など、構造が明確で繰り返しの多い文書に最適です。

翻訳支援ツールの主な機能

機能 内容
翻訳メモリ(TM) 過去に翻訳した文節の対訳をデータベース化し、再利用を促進する機能
用語ベース(TB) 登録された用語の対訳を表示し、言葉の統一を図る機能
QAチェック 数値や用語の不一致、スペルミスなどを自動検出し、品質ミスを防止する機能

メリット・デメリット比較表

項目 メリット デメリット
コスト 翻訳メモリの活用により、重複箇所の翻訳工数が削減 → 見積が安くなる可能性 導入・運用には一定のコストと習熟が必要
納期 一から翻訳する必要がなく、スピーディーな納品が可能 マッチ率が低い場合は通常翻訳と変わらず、納期短縮効果が薄れる場合も
品質 文言・用語の統一、誤訳防止(QAチェック)などにより、一定水準以上の品質が確保されやすい 読み物系やマーケティング文書では自然な表現が犠牲になりやすく、リーダビリティが損なわれることも
運用効率 過去の資産が活用できるため、定期改訂や類似文書での作業が大幅に効率化 専門的な設定や管理にはスキルが求められる

使用に適した文書・適さない文書

適している文書 適さない文書
マニュアル、製品仕様書、取扱説明書、契約書、法務文書、IT系技術資料等 広報資料、プレスリリース、マーケティング文書、読み物系コンテンツ

代表的な翻訳支援ツール(CATツール)

ツール名 特長
Trados 世界中の翻訳会社が採用。高機能・高精度だが操作習得にやや時間がかかる。
Phrase(旧Memsource) クラウド管理に優れ、大規模翻訳プロジェクトやチーム翻訳に向く。容量制限がなくデータ資産管理が容易。
MemoQ 柔軟な操作性と高い評価を得ているツール。UIが直感的で、特に欧州圏翻訳者に人気。

最後に

翻訳支援ツールは、翻訳プロジェクトの効率化と品質安定化に大きく貢献する心強いパートナーです。しかしすべての文書に適しているわけではありません。文書の特性や翻訳の目的によっては、手作業による柔軟な対応が求められるケースもあります。

どのような翻訳手法が最適かお悩みの場合は、翻訳会社に相談してみるのが最善です。過去の資産を活用した高品質かつ効率的な翻訳の実現をご希望であれば、ぜひ当社にご相談ください。

まとめ

  • 翻訳支援ツールは、翻訳メモリや用語統一機能を持ち、翻訳作業の効率化・品質安定化に貢献します。

  • 定型文が多く文言の繰り返しがある文書に最適ですが、創造性が求められる翻訳には不向きな場合もあります。

  • ツールの選定や運用は専門的知見が必要となるため、不明点はプロの翻訳会社に相談するのが安心です。

外国語対応でお困りですか? どうぞお気軽にお問い合わせください。

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