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翻訳コラム

COLUMN

第356回很多的字

2017.10.18
通訳・翻訳家 伊藤祥雄

先日某SNSで友達の中国語に関する面白い書きこみを読みました。

その友達は僕が留学していた時の留学生仲間で、現在は主婦ですが今でも中国語を勉強し続けています。ご主人も中国ビジネスに携わっておられるので、ご主人の上海駐在時も一緒に上海に住み、お子さんもその頃上海にいたようなので少し(かなり?)中国語ができるらしいです。

で、そのお子さんが学校(中学?高校?)の中国語の授業で日本人の先生の書いた例文に違和感を覚えると言ってきたのだそうです。その例文とはこんな感じ:

黑板上写着很多的字。

この例文の“很多的字"の“的"は要らないんじゃないかなと、そう言うのだそうです。

ですね。僕もそう思います。あっても間違いとはいえないかもしれませんが、普通“很多"が何か名詞を修飾する場合は“的"は使わないと思いますよね。

そもそも、中国語の形容詞が名詞をどういうふうに修飾するか、ちょっと復習してみましょうか。

1文字の形容詞の場合

形容詞が1文字で名詞を修飾する場合、“的"を使わずそのままくっつけます。例えば:

红(赤い)+花(花)
红花(赤い花)
hónghuā

2文字以上の形容詞や修飾語の場合


2文字以上の形容詞や、2文字以上からなる修飾語が名詞を修飾する場合、“的"が必要になってきます。例えば:

漂亮(美しい)+衣服(服)
漂亮 的 衣服(美しい服)
piàoliang de yīfu

很好(とても良い)+人(人)
很好 的 人(とても良い人)
hěn hăo de rén

以上が基本ですが、実は“多 duō"という形容詞はちょっと例外です。例えば「たくさんの人」と言いたい時は普通こう言います。

很多人
hěn duō rén

まてよ?“很多"のように2文字以上の修飾語が名詞を修飾する場合は、“的"をつけて“很多的人"とするんじゃないの?

と思いますよね〜(笑)。でも、“多"という形容詞は例外的に“的"を必要としないのです。なんか不思議ですよねぇ。

でも実は日本語も「多い」という形容詞は他の形容詞と違って例外的なのだそうです。例えば上記“很多人"を日本語に訳す時、もしこう言ったらどうでしょう。

「多い人」

変でしょう?(笑)。「あそこに美しい人がいます。」とは言っても「あそこに多い人がいます」とは言いませんね。「多い人」ではなく「多くの人」とか「たくさんの人」なら大丈夫ですよね。

なぜなのかはっきり分かりませんが、何か「多い」という形容詞は特殊なのかもしれません。日中両言語の面白い共通点だとおもいます。

さて、この後書くことはどうでもいい話です。無視してくださって結構です(笑)。

実は「多い/多 duō」が形容詞の中では例外的だという話は、僕が学生時代に講義で聞いたのですが、それを聞いた時僕はちょっと例外を思いつきました。

「多い日も安心」(笑)

でもこれは実は「何が多いか」の部分が省略されているのですね。本当は「●●が多い日」という意味ですが、言葉にしにくいので省略しているわけです。別に「日」が多いわけではないので、例外とは判定されませんでした(苦笑)。

伊藤祥雄

1968年生まれ 兵庫県出身
大阪外国語大学 外国語学部 中国語学科卒業、在学中に北京師範大学中文系留学、大阪大学大学院 文学研究科 博士前期課程修了
サイマルアカデミー中国語通訳者養成コース修了

通訳・翻訳業を行うかたわら、中国語講師、NHK国際放送局の中国語放送の番組作成、ナレーションを担当

著書

  • 文法から学べる中国語
  • 中国語!聞き取り・書き取りドリル
  • CD付き 文法から学べる中国語ドリル
  • 中国語検定対策4級問題集
  • 中国語検定対策3級問題集
  • ぜったい通じるカンタンフレーズで中国語がスラスラ話せる本

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