翻訳コラム

COLUMN

第486回曜日とか

2021.02.17
通訳・翻訳家 伊藤祥雄

NHK World JAPANの中国語放送で制作しているネットにおける動画のニュース番組『东京网播间 Dōngjīng wăngbō jiān』、皆さん見てくださっていますか?

さて、毎回この『东京网播间』の冒頭のキャスターの挨拶、人それぞれですが、僕はほぼ毎回こんなふうに言っています。

朋友们好!
今天是某月某日,星期某。
欢迎来到NHK日本国际传媒的新闻节目《东京网播间》。
我是伊藤祥雄。


挨拶に特に決まりはありませんが、日付は言ってくださいと上から言われています。ネット上で1週間残されますので、日付をきちんと分かるようにしておくためだそうです。

で、僕は毎回曜日も言うようにしています。これは別に言わなくてもいいのですが、なんとなく。。。ラジオの中国語ニュースでは日付の後に曜日も言っているので、なんとなくそれをまねしているのです。

ところで、今更ですが、中国語の曜日の言い方、ご存知ですよね?(笑)

“星期 xīngqī”の後ろに数字を入れていって曜日を表すのでしたね。

星期一が月曜日
星期二が火曜日

ず~っといって

星期六が土曜日

こうして考えると、中国では月曜日が週の始まりということなのでしょうね。

それはさておき、日曜日だけは数字ではありませんでした。2つ言い方がありましたね。

星期日/星期天

“星期七”なんて言わないように気を付けてくださいね(笑)。

曜日の言い方に数字を使うなんて合理的ですが、慣れない内は指折り数えないと何曜日か分からない、なんてこと、ありましたね。中国語学習者アルアルでしょうか。

さて、実は最近、ちょっと曜日の言い方に変化が出てきたようです。もちろん、数字がずれたりするわけではありませんが、別の言い方が増えてきているようです。

たとえば、これは昔からある言い方ですが、、、

礼拜一、礼拜二・・・
lĭbài…

これは僕は入門の頃に豆知識的に知った程度でしたが、留学に行っていた時は人々が結構使っていた覚えがあります。その後、一時はすたれていたと聞きましたが、最近また増えてきたようです。

そしてもっと最近よく耳にするのは、これです!

周一、周二・・・
zhōu…

僕の中では、この“周一”とか“周六”といった言い方は書き言葉でした。だから自分ではほぼ口にしたことはなかったのですが、最近よく耳にします。

そして、ある中国語の先生の話によると、使われる頻度はこんな順のようです。

周>礼拜>星期

えええええ!?僕の愛用(?)している“星期”は、今一番使われない言葉に成り下がってしまったのでしょうか(苦笑)。

その先生のおっしゃるには、“星期”は教科書的な、ちょっとお堅いイメージなのだとか。う~む。そうなんですねぇ。。。

まぁ、ニュースの冒頭に言うのであれば、お堅いイメージのほうがいいと思うので、今まで通りニュースでは“星期”を使うべきでしょうが、日常会話では“周”か“礼拜”を使うようにしようかなと思った次第です(笑)。

言葉ってやはり変わっていくのですねぇ。面白いです。

伊藤祥雄

1968年生まれ 兵庫県出身
大阪外国語大学 外国語学部 中国語学科卒業、在学中に北京師範大学中文系留学、大阪大学大学院 文学研究科 博士前期課程修了
サイマルアカデミー中国語通訳者養成コース修了

通訳・翻訳業を行うかたわら、中国語講師、NHK国際放送局の中国語放送の番組作成、ナレーションを担当

著書

  • 文法から学べる中国語
  • 中国語!聞き取り・書き取りドリル
  • CD付き 文法から学べる中国語ドリル
  • 中国語検定対策4級問題集
  • 中国語検定対策3級問題集
  • ぜったい通じるカンタンフレーズで中国語がスラスラ話せる本