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翻訳コラム

COLUMN

第383回越A越B

2018.05.09
通訳・翻訳家 伊藤祥雄

某大学で使用している中国語テキストで、先日“越A越B"というのが出てきました。「AすればするほどB」とか「AであればあるほどB」というような意味を表す言い方ですね。例えば:

越吃越想吃
yuè chī yuè xiăng chī
食べれば食べるほど食べたくなる

もちろん主語も立てられます。

雨越下越大了。
yŭ yuè xià yuè dà le
雨は、降れば降るほどひどくなってきた。

この文の場合、“越A越B"のAにあたる“下"とBにあたる“大"は、どちらも主語が“雨"ですよね。だから主語“雨"は最初に1回言えば済むのですが、前半と後半で主語が違うと両方言わなければなりませんね。では、「あなたが話せば話すほど、私はあなたを好きでなくなる」と言いたい時はどう言いましょうか。前半と後半で主語が違いますけどどうなるでしょう。

「AであればあるほどB」の「A」が「あなたが話す」で「B」は「私はあなたを好きでなくなる」ですから、

越你说,越我不喜欢你。

とやってしまう人がとても多いです。まぁ「AであればあるほどB」を“越A越B"と覚えていると、上のようにやってしまっても不思議はありません。しかし、実はこれではだめです。正しくは:

你越说,我越不喜欢你。
nĭ yuè shuō, wŏ yuè bù xĭhuan nĭ

そう、実は“越"は文法的には副詞なのです。副詞は基本的には述語の直前に置きます。だから主語がある場合は主語と述語の間に置くことになります。だから、上のような語順になるのですね。

これは他の複文でもよく出てきます。たとえば“一〜就…"という表現がありますね。「〜するとすぐに…」です。

これも前半部分と後半部分で主語が同じなら、後半の主語は省略するので、そんなに問題は起こりません。例えば:

他一听就明白了。
tā yì tīng jiù míngbai le
彼は聞くとすぐ分かった。

この文だと、前半部分の述語“听"と後半部分の述語“明白了"の主語はいずれも“他"ですね。

では前半と後半を別の主語にしてみましょう。例えば「彼が話すと私はすぐ分かった。」はどう言いましょうか。よくやる間違いはこんな感じ。

他一说,就我明白了。

「〜するとすぐに…」を“一〜就…"と覚えているのだから、当然こうなるとは思うのですが、残念ながらこれでは間違いになってしまいます。実は“就"も副詞なので、“我"と“明白"の間に置かなければなりません。つまり正しい文は:

他一说,我就明白了。
tā yì shuō, wŏ jiù míngbai le

この語順、僕も慣れるまでに結構時間がかかったような気がするので、間違う人の気持ちはわかるのですが(笑)、正しい語順に慣れてくださいね。

伊藤祥雄

1968年生まれ 兵庫県出身
大阪外国語大学 外国語学部 中国語学科卒業、在学中に北京師範大学中文系留学、大阪大学大学院 文学研究科 博士前期課程修了
サイマルアカデミー中国語通訳者養成コース修了

通訳・翻訳業を行うかたわら、中国語講師、NHK国際放送局の中国語放送の番組作成、ナレーションを担当

著書

  • 文法から学べる中国語
  • 中国語!聞き取り・書き取りドリル
  • CD付き 文法から学べる中国語ドリル
  • 中国語検定対策4級問題集
  • 中国語検定対策3級問題集
  • ぜったい通じるカンタンフレーズで中国語がスラスラ話せる本

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