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翻訳コラム

COLUMN

第385回歩きスマホ

2018.05.23
通訳・翻訳家 伊藤祥雄

皆さんお持ちの携帯電話は、スマートフォンですか?

僕はスマホです。アイフォンユーザーですが、ドケチなのでまだiPhone5を大事に大事に使っています(笑)。最近は時々ジ〜〜〜っと考え込んでフリーズしている時もあるので、そろそろ機種変更しなきゃなぁとは思うのですが(苦笑)。

スマホのこと、中国語でどう言うかご存知でしょうか。いちおう、こんなふうに言うようですね。

智能手机
zhìnéng shŏujī

でも、実際にはあまり言わないみたい。日本で言うガラケーとスマホは、中国では特に区別せずにいずれも“手机"と言うことの方が多いようです。特に区別しなければならない場合にはもちろん“智能手机"と言うのですが、普通はわざわざ“智能手机"とは言わず単に“手机"とだけ言えばいいようです。

さて、スマホと言えばよく問題になるのが「歩きスマホ」でしょうか。

歩きながらスマホを操作している人は本当に多いですね。かく言う僕も、「絶対にやったことがない」と言えば嘘になります。ダメですね。やらないように気をつけます。

もう1年くらい前でしょうか、電車の中で面白い吊り広告を見ました。

歩きスマホをしないように呼びかける広告ですが、日本語だけでなく英語、韓国語、中国語でも書かれているのです。

最近日本でも外国人が多いですから、こういう広告も必要ですよね〜。

で、中国語は簡体字のものと繁体字のものが両方書かれていました。字が違うだけでなく表現が全然違うので、多分大陸の人と台湾の人に別々に書いてもらったのでしょうね。

まず簡体字バージョンはこんな感じでした。

不要在走路时使用手机。
Bú yào zài zŏulù shí shĭyòng shŏujī.
道を歩く時に携帯電話を使わないでください。

うん、普通の言い方。分かりやすいですね。

では、繁体字バージョンはというと。。。

專心走好路, 別當低頭族。
Zhuānxīn zŏuhăo lù, bié dāng dītóu zú.
集中してしっかり道を歩こう、“低頭族"にならないでね。

“低頭族"という言葉が出てきました。これご存知ですか?

これは携帯やゲームなどをしながら歩いている人のことを指します。こういう人は携帯やゲームを覗きこむあまり、うつむき加減で歩いていますね。だから“低頭(頭を下げる、うつむく)族"なのです。

“低頭(低头)"と言えば、思い出すのは文革時代の言葉(苦笑)。

低头认罪!
dī tóu rèn zuì
頭を下げて罪を認めろ!

歩きスマホのような姿勢の人を“低頭族"と言っているのも、頭を下げているのが不名誉な姿勢だと言うことで、こうならないようにしよう!というような含意が、もしかしたらあるのかもな〜なんて思いました。これは僕の個人的な感想でしかありませんが(笑)。

こういうネーミング、本当に面白いですよねぇ。なんか僕も作って中国で流行らせることができるといいなぁなんて思いますが、無理かな(笑)。

伊藤祥雄

1968年生まれ 兵庫県出身
大阪外国語大学 外国語学部 中国語学科卒業、在学中に北京師範大学中文系留学、大阪大学大学院 文学研究科 博士前期課程修了
サイマルアカデミー中国語通訳者養成コース修了

通訳・翻訳業を行うかたわら、中国語講師、NHK国際放送局の中国語放送の番組作成、ナレーションを担当

著書

  • 文法から学べる中国語
  • 中国語!聞き取り・書き取りドリル
  • CD付き 文法から学べる中国語ドリル
  • 中国語検定対策4級問題集
  • 中国語検定対策3級問題集
  • ぜったい通じるカンタンフレーズで中国語がスラスラ話せる本

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