第14回Fordも特許無償開放
また特許開放のニュースです。
Ford社が、" electrified vehicle"(電気自動車)の特許を開放しました。
詳しくは、Fordのウエブサイト(2015年5月28日付け)
“Ford Opens Portfolio of Patented Technologies to Competitors to Accelerate Industry-Wide Electrified Vehicle Development"
(https://media.ford.com/content/fordmedia/fna/us/en/news/2015/05/28/ford-opens-portfolio-of-patented-technologies-to-competitors-to-.html)
をご覧下さい。
Fordは、電気自動車分野を活性化するのが狙いでしょう。上記サイトによると、FordはこのEV分野に関して650件を超える特許、1,000件以上の出願を有しています。
特許の無償開放もこれまで他企業で行われてきました。
無償開放は、発明の保護と利用という特許制度の目的のうち、利用という側面に重点が置かれた政策です。
特許を取ることが発明の保護であるのに対し、無償開放はまさに発明を利用させるものです。ライセンスを許諾してロイヤリティを得ることが発明の利用であると考えられてきましたが、今後は無償開放という発明の利用がなされることが多くなり、これは対価を要求しない究極的な発明の利用であるといえます。
Again, news of releasing patents for free.
Ford released patents for electrified vehicles for free.
For details, see Ford website dated May 28, 2015
“Ford Opens Portfolio of Patented Technologies to Competitors to Accelerate Industry-Wide Electrified Vehicle Development"
(https://media.ford.com/content/fordmedia/fna/us/en/news/2015/05/28/ford-opens-portfolio-of-patented-technologies-to-competitors-to-.html)
Ford appears to aim for revitalizing the electrified vehicles field. According to the website above, Ford has more than 650 patents and 1,000 applications in the EV field.
Some companies have released patents for free.
Free release is a policy focusing on utilization of inventions among protection and utilization of patents under the patent system.
While obtaining patents protects patents, releasing patents for free definitely permits utilization of patents. Utilization of inventions has been considered to grant a license to receive royalties but ultimate utilization of patents without royalties in the form of release of patents for free will continue to increase.
奥田百子
東京都生まれ、翻訳家、執筆家、弁理士、株式会社インターブックス顧問
大学卒業の翌年、弁理士登録
2005〜2007年に工業所有権審議会臨時委員(弁理士試験委員)
著書
- もう知らないではすまされない著作権
- ゼロからできるアメリカ特許取得の実務と英語
- 特許翻訳のテクニック
- なるほど図解著作権法のしくみ
- 国際特許出願マニュアル
- なるほど図解商標法のしくみ
- なるほど図解特許法のしくみ
- こんなにおもしろい弁理士の仕事
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