- 2025.06.27更新
- 翻訳外注ノウハウ
【プロが解説!】多言語DTPとは?対応分野・料金相場・依頼のコツ

グローバル展開が加速する中、「翻訳後のレイアウト調整まで含めて対応してほしい」「多言語パンフレットを同じデザインで展開したい」といったニーズが増えています。そこで重要となるのが「多言語DTP(デスクトップパブリッシング)」の存在です。
翻訳+DTPをセットで提供できる体制は、業務効率を高めるだけでなく、納品物の品質を一貫して担保する上でも非常に有効です。
本記事では、「多言語DTPとは何か」「どんな分野に対応できるのか」「費用相場は?」「依頼時に気をつけたいポイント」などをプロの視点から詳しく解説します。
多言語DTPとは?
DTP(Desktop Publishing)とは、印刷物やPDF、電子データのレイアウト・デザイン作業のことを指します。これに翻訳を組み合わせた「多言語DTP」とは、翻訳したテキストを各言語で元のレイアウトに合わせて整え、違和感なく仕上げる作業のことです。
たとえば、日本語のパンフレットを英語・中国語・アラビア語に翻訳したあと、文字量や書記方向(横書き/縦書き/右から左など)に応じてレイアウトを調整する必要があります。この作業を専門知識のあるDTPオペレーターが行うことで、読みやすさ・見た目の美しさ・ブランド一貫性が保たれるのです。
多言語DTPが必要とされる理由
-
言語によって文字数や行長が異なる
英語は日本語より長く、中国語は短くなる傾向があり、レイアウトの調整が必要です。 -
書記方向の違い
アラビア語やヘブライ語は右から左へ書くため、ページ構成全体の見直しが求められます。 -
フォントや記号の互換性
特定言語では使用可能なフォントが限られ、記号や句読点も異なるケースがあります。 -
DTP作業だけでは意味がない
レイアウトを整えても、誤訳や文脈ミスのある翻訳では本末転倒。翻訳とDTPの両方を統合的に管理できる体制が重要です。
対応可能な分野とドキュメント種類
インターブックスでは、さまざまな業界・文書形式に対応した多言語DTPを提供しています。
分野 | 対応文書例 | 特徴 |
---|---|---|
製造・工業 | 取扱説明書、仕様書、マニュアル | 専門用語管理と図版との整合性が重要 |
観光・インバウンド | 観光ガイド、施設案内、パンフレット | 簡体字・繁体字・韓国語などのアジア圏多言語展開に強み |
医薬・ヘルスケア | 製品情報書、ラベル、説明書 | 正確性と法規対応が求められる |
教育・出版 | 教材、書籍、参考資料 | 図表・脚注・索引の多い構造化ドキュメントに対応 |
官公庁・自治体 | 広報資料、多言語チラシ、申請書類 | ユーザー層に合わせたやさしい翻訳とデザインが必要 |
多言語DTPの料金相場と費用構成
料金は、使用アプリケーション、ページ数、言語数、デザインの複雑さ、納期などにより異なります。以下は目安となる費用感です。
① 翻訳費用(日本語→各言語)
言語系統 | 単価(1文字あたり) |
---|---|
英語 | 18~30円 |
中国語・韓国語 | 20~35円 |
欧州言語(独・仏など) | 22~38円 |
中東・アジア諸語 | 25~45円 |
② DTP費用(レイアウト作業)
作業内容 | 単価目安 |
---|---|
InDesignレイアウト作業 | 5,000~15,000円/ページ |
Illustratorレイアウト調整 | 4,000~10,000円/ページ |
PDF調整(軽微修正) | 3,000~7,000円/ページ |
多言語対応一括管理費 | 言語数・規模に応じて個別見積 |
※フォント代・画像加工費・翻訳メモリ使用料などが別途発生する場合があります。
多言語DTPを依頼する際のコツ5選
1. 元データ(InDesign・AI・Wordなど)を提供する
PDFのみの支給では、レイアウト再構築が必要となりコスト増の原因に。編集可能な元データを用意しましょう。
2. 翻訳とDTPをワンストップで依頼する
別会社に依頼すると、文言修正や再調整に二度手間が発生。インターブックスのように翻訳とDTPを一体で管理できる会社を選ぶと効率的です。
3. 用語集やスタイルガイドを共有する
製品名・表記ルール・禁止表現などがある場合は、事前に共有することで統一された仕上がりになります。
4. 対応言語数と展開国を明示する
対象市場によっては、同じ言語でも表現や表記(例:簡体字vs繁体字)が異なるため、事前に明確に伝えることが重要です。
5. スケジュールに余裕を持たせる
翻訳→レイアウト調整→校正という流れがあるため、想定納期より1〜2週間前倒しで準備を始めるのがおすすめです。
インターブックスの多言語DTPサービスの強み
株式会社インターブックスは、翻訳+DTPの一括対応で、品質・スピード・コストの最適バランスを提供しています。
-
翻訳×ネイティブチェック×DTPのワンストップ体制
-
対応言語40カ国以上、多言語同時展開にも対応
-
InDesign、Illustrator、FrameMaker、PowerPointなど幅広い対応実績
-
ISO17100(翻訳品質)およびISO27001(情報セキュリティ)取得済み
-
製造・医薬・官公庁・教育など業界別の専門チームが対応
まとめ:グローバル対応に必須の「多言語DTP」は、翻訳の延長ではない専門技術
多言語での情報発信において、「翻訳だけ」では本当の意味で“伝わる”コンテンツは作れません。レイアウトや言語仕様に配慮した多言語DTP対応こそが、グローバル品質の仕上がりを実現します。
翻訳とDTPの両面に強いパートナーを選ぶことで、品質・納期・コストのバランスが取れた制作が可能になります。
パンフレット、マニュアル、製品カタログなどの多言語展開をお考えの方は、ぜひインターブックスにご相談ください。
外国語対応でお困りですか? どうぞお気軽にお問い合わせください。
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