2025.05.08更新
翻訳外注ノウハウ

「誤訳とは何か?ビジネスを揺るがす翻訳ミスの実例・原因・防止策をプロが徹底解説」

【誤訳(ごやく)とは?】その発生原因、影響と解決方法

「翻訳は誰がやっても同じ」と思っていませんか? その認識は、思わぬ損害を招く可能性があります。「誤訳(ごやく)」とは、文字通り「誤って訳すこと」ですが、その定義や判断基準は実はとても曖昧です。誤訳の存在を意識しないまま、重要な文書の翻訳を外注している企業も少なくありません。本記事では、誤訳とは何か、その多様な形態、発生の背景、そして実際にどのようなリスクをもたらすのかを、翻訳会社インターブックスの専門視点から解説します。

誤訳の定義と判断の難しさ

「誤訳」と聞いて、明らかな間違い ― たとえば「彼」を「She」、「赤い」を「Blue」と訳してしまうような誤り ― を思い浮かべる方が多いでしょう。ところが、実際の翻訳現場で発生する誤訳の多くは、もっと微細で見えにくいものです。

例えば、「First floor」はアメリカ英語では「一階」ですが、イギリス英語では「二階」を指します。また、「Football」はアメリカではアメフト、イギリスではサッカーを意味します。このように、文化や地域性に根差した違いが誤訳につながることも多々あります。

インターブックスでは、「翻訳された文章が、元の意図を正しく伝えられていない」状態を誤訳と定義しています。表現の上手・下手ではなく、意図が正しく伝わっているかが重要なのです。

誤訳の種類:表面的ミスから意図の読み違えまで

誤訳には多様な形態があり、以下のように分類されます:

  • 形式的ミス:誤字・脱字、句読点や記号の誤用、用語の統一ミス
  • 言語的ミス:文法破綻、意味不明な表現、不適切な言い回し
  • 文化・地域的ミス:現地で通用しない表現、ネガティブなニュアンス
  • タイル違反:ガイドライン違反、対象者にそぐわない語調や構成

これらは、翻訳者の知識や経験不足、注意力の欠如、スタイルガイドの無視、あるいは自動翻訳ツールの限界など、さまざまな要因によって生じます。

誤訳が起こる5つの主な原因

  1. 原文理解の不足:専門知識や文脈の読み違えによる誤解
  2. 注意力の欠如:短納期や大量翻訳で起こる訳漏れ・数字の見間違い
  3. 表現の選定ミス:適切な表現技法や文体の選択ができていない
  4. スタイルガイドの不遵守:用語統一・語調・書式のルール違反
  5. 機械翻訳の限界:意味が通じない自動翻訳文をそのまま使用

誤訳が引き起こすビジネスリスク

誤訳の影響は計り知れません。契約書の誤訳は法的リスク、ウェブサイトでの誤訳はブランド毀損、医療や製品マニュアルの誤訳は人命リスクにさえつながります。

『歴史を変えた誤訳』(鳥飼玖美子著)でも、外交文書の誤訳が国際関係に与えた深刻な影響が紹介されています。こうした事例からもわかる通り、誤訳は「単なる言葉のミス」では済まされないのです。

誤訳の防止と対処法

誤訳のリスクを最小限に抑えるには、以下の対応が有効です。

  • 検収:納品された翻訳文の全体確認(人による内容レビュー)
  • ネイティブチェック:現地の人による自然さのチェック
  • プルーフリーディング:原文との整合性を含めた校正作業
  • バックトランスレーション:逆翻訳による趣旨の一致確認

翻訳品質を担保するには、これらの手法を適切に使い分け、「翻訳を鵜呑みにしない姿勢」が求められます。

まとめ:誤訳リスクを防ぎ、伝わる翻訳を選ぶために

翻訳文は、読み手やシチュエーションに応じて求められる表現が異なります。「翻訳文が伝えるべき意図を正しく届けているか」が、誤訳かどうかの最終的な判断基準です。

「安かろう、悪かろう」の翻訳では、将来的に大きな損失を招く恐れがあります。インターブックスでは、翻訳の目的や対象、業種特有の表現を深く理解したプロ翻訳者が、英語をはじめ世界85言語に対応しています。

契約書、ウェブサイト、マニュアル、広報資料など、誤訳の許されない文書に関して、翻訳の品質やチェック体制でお悩みの方は、ぜひ一度当社までご相談ください。

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