- 2025.05.13更新
- 翻訳外注ノウハウ
インターネットで使われる言語の世界シェアとは?現実とのギャップと英語偏重の背景を徹底解説

インターネットは「世界をつなぐ革命的な発明」である一方、そこに使われる言語の分布を見ると、意外な偏りが見えてきます。「どこにいても誰とでもつながれる」はずのネット空間ですが、実は英語が圧倒的に支配しているのが現実です。なぜそのような偏りが生まれているのか?
今回は「世界で使われている言語」と「インターネット上で使われている言語」「インターネット上のコンテンツに使われている言語」という3つの切り口から、このギャップの背景を読み解きます。
世界の話者数とインターネットユーザーの言語分布
まずは、世界人口と言語、インターネットユーザーの使用言語の比較表をご覧ください。
順位 | 世界で使われている言語 | 世界人口に占める割合 | インターネット上で使われている言語 | インターネット人口に占める割合 |
---|---|---|---|---|
1位 | 英語 | 15.0% | 英語 | 25.9% |
2位 | 中国語 | 15.0% | 中国語 | 19.4% |
3位 | ヒンディー語 | 7.2% | スペイン語 | 7.9% |
4位 | スペイン語 | 6.9% | アラビア語 | 5.2% |
5位 | フランス語 | 3.8% | ポルトガル語 | 3.7% |
6位 | アラビア語 | 3.7% | インドネシア語/マレー語 | 4.3% |
7位 | ロシア語 | 3.6% | フランス語 | 3.3% |
8位 | ベンガル語 | 3.6% | 日本語 | 2.6% |
9位 | ポルトガル語 | 3.2% | ロシア語 | 2.5% |
10位 | インドネシア語 | 2.6% | ドイツ語 | 2.0% |
この表からわかるように、英語と中国語の強さが際立っていますが、それ以外の言語では現実世界とインターネット上での存在感に差が見られます。特にヒンディー語やベンガル語はオンラインでの存在が極めて小さいことが明らかです。
インターネット上の「コンテンツ言語」の偏り
さらに、「どの言語で書かれたWebコンテンツが多いか」を示す調査結果がこちらです。
順位 | インターネット上のコンテンツで使用されている言語 | 使用割合 |
---|---|---|
1位 | 英語 | 54.0% |
2位 | ロシア語 | 6.0% |
3位 | ドイツ語 | 6.0% |
4位 | スペイン語 | 4.9% |
5位 | フランス語 | 4.0% |
6位 | 日本語 | 3.4% |
7位 | ポルトガル語 | 2.9% |
8位 | イタリア語 | 2.3% |
9位 | ペルシャ語 | 2.0% |
10位 | ポーランド語 | 1.7% |
中国語がランク外である点は驚きですが、これは検閲の厳しい中国本土のネット環境が独立していることや、英語圏の企業が主導してきたWebの構造が影響しています。
なぜ英語がここまで強いのか?その背景とは
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インターネットの起源が米国にある
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GoogleやAmazonなどのグローバル企業が英語圏に集中
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英語は非ネイティブ話者にも共通語として学ばれている
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発信者=英語使用者が多い
特に、コンテンツ制作に投資できる層が英語圏に多いという経済的事情も、言語バランスを大きく左右しています。
言語の未来はどうなるのか?
調査によれば、2000年〜2018年の間に英語のインターネットユーザーは約650%増加。一方で、中国語は約2,391%、アラビア語は約8,616%増と非英語圏の言語の伸びが顕著です。今後のコンテンツ多言語化への期待は高まりますが、急激な変化は難しく、まだ英語優位の構造は続きそうです。
一部の国では、母語のオンライン使用拡大に向けた政策的支援(例:フランス語)や、Wikipedia・Wikitonguesといった市民活動が注目されています。
まとめ:英語偏重の現実と、翻訳の価値
インターネットが言語的に「英語偏重」である理由には歴史的・経済的・構造的な背景がありますが、現実世界の多様性を尊重するためには多言語対応が不可欠です。英語だけで済ませるのではなく、その国や地域の言葉で正確に伝えることが、信頼構築や市場拡大の鍵となります。
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