- 2025.12.15
- 翻訳外注ノウハウ
【プロが解説!】自治体翻訳のポイント|ゴミ出し・納税・防災…生活ルールを誤解なく伝えるための表現テクニック
外国人住民が増加するなか、自治体にとって「生活情報の多言語翻訳」は、避けて通れない行政サービスの一環となっています。「ゴミ出しのルールがわからない」「納税通知が理解できない」「災害時の避難情報が読めない」といった事態は、住民の生活の質だけでなく、地域全体の安全・安心にも直結する課題です。
とりわけ、「ごみの分別ルール」「住民税・国保・年金関連の納付通知」「地震・台風・水害時の避難指示」「妊娠・出産・育児関連の制度案内」など、日常生活に直結する行政情報は、その伝え方次第で理解度に大きな差が出ます。
本記事では、自治体翻訳において押さえるべき5つのポイントと、実際の翻訳現場で培った表現テクニックを、翻訳会社インターブックスの視点から解説します。
生活密着型コンテンツに求められる「平易かつ誤解なき翻訳」

読み手は「行政文書に慣れていない外国人」
自治体が発信する文書の多くは、住民にとって「初めて読む」「一読で理解したい」情報です。とくに外国人にとっては、日本語自体がハードルである上に、行政文書独特の言い回し(「ご確認ください」「ご対応ください」「対象となる場合があります」など)は非常に分かりにくくなりがちです。
そのため翻訳においては、「やさしい日本語」や「平易な表現」に準拠した原文の作成が理想ですが、既にできあがった文書を翻訳するケースも多くあります。その際、翻訳者には次の力が求められます。
- 法制度や自治体制度の背景知識
- 原文に潜むあいまい表現の読み取り
- 意訳と直訳のバランス感覚
- 書記方向・日付・通貨などのローカライズ感覚
自治体翻訳では「一語一句忠実に訳す」ことよりも、「誤解なく伝えること」を優先すべきです。
ゴミ出し・生活ルール:視覚要素と翻訳の連携がカギ

多言語化で問題が起こりやすいのが「ごみ分別の翻訳」
ごみの分別ルールは自治体によって異なり、「可燃・不燃」「プラ・ペット・瓶缶」など分別基準が複雑です。これを外国語にする際、単語だけ訳しても伝わりません。たとえば:
「容器包装プラスチック」→ Plastic containers and packaging
⇒ 単なる「Plastic waste」と混同されるおそれ
「粗大ごみ」→ Oversized waste / Bulky waste
⇒ 地域によっては別途申請・有料処理が必要
また、アイコンやイラスト、ピクトグラムと翻訳文が連携している必要もあります。インターブックスでは、DTPやデザインにも精通した多言語DTP体制を整えており、「翻訳+デザインの整合性」を保った納品が可能です。
納税通知・年金・保険:制度の仕組みをかみ砕いて翻訳する力

外国人にとっての「制度不理解」は支払い遅延や不信感の原因に
納税通知書や保険料の案内は、金額や期日の記載だけでは不十分です。「なぜ支払うのか」「いつまでに、どう払うのか」「滞納するとどうなるのか」などを、制度的背景を含めて翻訳することが重要です。また、文化・制度の違いにも注意が必要です。
| 日本語原文例 | 誤訳リスクのある翻訳 | 適切な翻訳例 |
| 「市民税・県民税」 | Tax for citizens and prefecture | Resident tax (municipal and prefectural) |
| 「所得に応じて課税されます」 | Taxed according to income | Your income determines the tax amount |
原文と翻訳のギャップを埋めるには、翻訳者が行政制度に明るく、わかりやすい説明ができる力を持っている必要があります。
防災情報:緊急時に命を守る翻訳とは?

「命に関わる情報」は一瞬で理解される必要がある
地震、台風、豪雨などの災害時において、「避難指示」「避難所情報」「警戒レベル」などをいかに正確かつ迅速に多言語化できるかは、自治体の危機管理能力の一端でもあります。自治体向けの多言語翻訳では、以下のような観点が重要です。
- 緊急時用語(避難/避難指示/避難勧告など)を統一表現に
- 書記方向(左→右/縦書き)・フォント選定
- オンライン配信や放送原稿との整合性
- 多言語防災マニュアル/Q&A形式の翻訳も併用
インターブックスでは、東京都や地方自治体の多言語防災プロジェクトにも携わっており、「いざというときに役立つ翻訳」を得意としています。
翻訳だけでなく「編集・レイアウト・監修」まで一貫対応できるかが差別化のカギ

多言語DTP・監修者によるネイティブチェックも重要
自治体向け翻訳では、原文のフォーマットを崩さず翻訳を流し込み、印刷や配布に適した状態で納品することも少なくありません。そのため、「翻訳会社+DTP会社」といった分業では手戻りが発生しやすくなります。インターブックスでは、以下のような体制を整えています。
- 多言語翻訳+ネイティブ校正+行政知識を持つ監修
- Adobe InDesign・Illustratorなどを用いた多言語DTP
- 表記ルールガイドライン作成支援(翻訳スタイルガイド)
これにより、自治体の制作・広報担当者の負担を最小限に抑え、効率的かつ高品質な多言語広報が可能になります。
まとめ:多文化共生社会における「翻訳」の重要性を自治体がどう捉えるか

自治体のグローバル対応は、単なる「翻訳の多言語化」にとどまらず、「地域住民の命と生活を守るための情報発信」としての意味合いを持ちます。翻訳の質次第で、誤解・混乱・不安を防げるかどうかが変わってきます。
株式会社インターブックスでは、行政文書に精通した翻訳者・編集者・デザイナーが連携し、翻訳+DTP+ネイティブ監修までワンストップで対応します。これにより、自治体ごとの制度や文化に配慮した、わかりやすく誤解のない情報提供を実現します。
自治体の皆様へ
多言語翻訳でお困りの際は、まずはお気軽にご相談ください。
「インターブックスの行政サービス・生活翻訳サービス」について、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
「インターブックスのビジネス一般翻訳サービス」について、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
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