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2025.10.06
翻訳外注ノウハウ

【プロが解説!】大阪・関西万博における多言語対応─ インバウンド翻訳視点から見る成功の要諦 ─

大阪・関西万博における多言語対応

2025年4月13日から10月13日まで、大阪・関西万博(EXPO 2025)が開催されています。日本国内外を問わず多くの来場者、国・企業パビリオン、スポンサーやメディア関係者が参加するこの国際イベントでは、「言語の壁を越える」ための多言語対応が不可欠です。

本記事では、万博における多言語対応(インバウンド翻訳)の意義と課題、成功事例、そして翻訳会社としてインターブックスが提供できる価値を交えながら、対応分野、留意点、導入のコツまで詳しく解説します。

翻訳会社インターブックス

なぜ「多言語対応」が万博で最重要課題となるのか?

大阪・関西万博における多言語対応

1. 世界各国からの来場者と多言語ニーズ

大阪・関西万博には、多数の国・地域からの来場者が見込まれており、多言語対応は訪日客の体験向上に直結します。公式には、スマホアプリ「EXPOホンヤク(自動翻訳)」が日本語を含む30言語対応として提供されています。

2. スタッフ・案内表示・展示パネル・資料まで対応が必要

現場スタッフの案内、多言語サイン・案内表示、展示パネル、パンフレット、Webサイト、アプリ、音声ガイド、AR/VRコンテンツなど、言語コンテンツの範囲は広範です。

3. ブランド印象・信頼獲得の観点

万博は単なる展示の場ではなく、国や企業の“顔”としての役割を持つ機会。言語ミス・翻訳粗雑さは信用リスクになるため、高品質で統一感のある多言語コンテンツが求められます。

4. 「専門用語」「固有名詞」の統一性

万博には独自名称、施設名、テーマワードなど固有表現が多数存在します。主催者側で「EXPO多言語用語集」を公開しており、用語統一が推進されています。

これらを踏まえると、万博における多言語対応は単なる翻訳ではなく、「翻訳 + 用語統一 + デザイン整合 + 運用管理」の複合的な対応が鍵を握ります。

万博での具体的な多言語対応領域(翻訳対象例)

大阪・関西万博における多言語対応

白書・報告書・論文は幅広い分野で活用されており、翻訳ニーズも多様です。以下に主要な分野と翻訳上の特徴をまとめます。

万博では、以下のような分野・文書・メディアで多言語対応が求められます:

対応分野 主な対象コンテンツ 特記事項
案内表示 / サイン 案内板、誘導サイン、トイレ表示、ゾーニング表示 視認性、言語数、空間制約対応が必要
パンフレット / ガイドブック 会場ガイド、都市観光案内、交通案内 多言語DTP、紙・電子の両対応
展示パネル / ディスプレイ パネル説明文、キャプション、QRコード案内 デザインとの整合性、文字数調整
Webサイト / モバイルアプリ 多言語サイト、イベント情報、チケット案内 SEO、レスポンシブ対応、用語同期
音声ガイド / 音声翻訳 展示解説音声、案内アナウンス 多言語音声対応、読み上げ自然性
AR/VR・デジタル展示 映像字幕、UI翻訳、操作説明 表記制約、UX観点での最適化
スタッフ向け資料 / マニュアル 接客ガイド、FAQ、多言語手引き 即時活用、理解しやすさの配慮

これらすべての領域で「統一した品質」「デザイン整合性・用語整合性」が保たれていることが、来場者体験を左右します。

多言語対応における技術的手法・システム

大阪・関西万博における多言語対応

万博規模の対応では、人手翻訳だけでなく、技術活用が不可欠です。以下が代表的な手法です。

自動翻訳 / 機械翻訳

万博の「EXPOホンヤク」アプリは、スマートフォンで選択言語に翻訳を提供するシステムとして、日本語を含めた30言語対応を想定。

ただし、機械翻訳だけでは文脈・専門用語の精度に限界があるため、ポストエディット(機械翻訳後の人手チェック)が併用されるのが一般的です。

用語集・翻訳メモリ(TM)活用

万博用の固有用語や展示固有語彙を事前に用語集化し、それを翻訳メモリに登録することで、翻訳品質と用語統一性を維持できます。主催者自身も「EXPO多言語用語集」を公表しています。

多言語DTPとデザイン統合

言語によって文字数や書記方向が変化するため、段落・行間・余白などを含めたレイアウト再調整が必要です。これを翻訳とデザインを一体で扱える体制が理想です。

双方向チェック・統合フロー

翻訳 → ネイティブチェック → デザイン挿入 → 校正 → 実地チェック。各フェーズを適切に管理するワークフローが求められます。

インターブックスが提供できる価値

【世界の言語】使用人口と使用状況

インターブックスは、世界85ヶ国/多言語対応の翻訳拠点をもつ翻訳会社であり、以下の強みが万博対応でも活きます。

1. 多言語対応力と翻訳品質

英語・中国語・韓国語をはじめ、アラビア語、タイ語、インドネシア語など多言語対応実績を有しています。加えて、翻訳後のネイティブチェック・品質管理体制も整備しており、機密性や正確性が重要な文書にも対応可能です。

2. 多言語DTP・編集対応

インターブックスは多言語DTP・編集業務を標準サービスとし、翻訳後のレイアウト調整・デザイン適用までを一括で請け負うことができます。これにより、翻訳とデザインの相性を担保した納品が可能です。

3. 用語統一と運用管理体制

独自の用語管理システムと過去実績データベースを活かし、固有表現・専門用語の統一性を保つサポートが可能です。また、長年のプロ翻訳者ネットワークとチェック体制により、規模の大きな案件でも安心して進行できます。

4. インバウンド翻訳実績と信頼性

インバウンド向け媒体、観光コンテンツ、パンフレット、Webサイト、マニュアル類の翻訳実績が豊富です。加えて、ISO認証・ISMS取得による情報セキュリティ体制も強みです。

これらを合わせることで、万博のような大規模イベントにおいても、抜け漏れのない多言語対応が可能となります。

多言語対応成功のコツ:万博向け翻訳・運用で注意すべき点

チェックポイント

コツ 1:早期計画・段階的準備

万博の準備は数年前から始まります。言語戦略、用語集整備、翻訳体制構築、DTP設計、システム準備は、早期に着手することが肝要です。

コツ 2:用語集・スタイルガイドの事前整備

主催者用語、施設名称、テーマワードなどを事前に明確にし、各言語に翻訳した用語集・スタイルガイドを作成・共有しておくと、整合性が保ちやすくなります。

コツ 3:機械翻訳と人手チェックの併用

すべて人手翻訳ではコストと時間が膨らみますが、機械翻訳だけでは誤訳リスクがあります。ポストエディット併用型翻訳を検討すべきです。

コツ 4:多言語DTP体制の確保

翻訳とDTPを別業者に任せると、レイアウト崩れや表現ズレの連鎖が生じやすくなります。両者を一括で扱える体制を確保しておくのが望ましいです。

コツ 5:運用・更新体制の確立

万博中は改訂・差し替え対応が発生します。多言語コンテンツの更新体制や翻訳リソース確保、バックアップ体制も設計段階から視野に入れておく必要があります。

コツ 6:実地チェック・ローカルレビュー

現場での案内板視認性、音声案内の聞き取りやすさ、展示エリア内での導線・誘導案内などは、実地チェック・ユーザーテストが極めて重要です。

想定される課題とその対策

チェックポイント

課題 リスク 対策
言語数が膨大 翻訳コスト・管理負荷が増える 優先言語を決定し、段階展開を図る
表現・文化差異 誤解・不快感を与える表現 ネイティブチェック・現地レビュー体制を設ける
デザイン崩れ レイアウト崩れで視認性低下 多言語DTP専門担当を配置
翻訳期限タイト スケジュール遅延 マージンを持った逆算スケジューリング
更新対応漏れ 古い表記・誤表記残留 更新フロー管理、コンテンツ統制責任者選定

まとめ:万博成功には“先読み力 × 多言語品質”が不可欠

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大阪・関西万博という国際舞台では、言語対応が単なる“補助機能”ではなく、来場者体験と企業・国家のブランド価値を支える柱になります。だから翻訳・DTP・用語統一・運用管理のすべてを高次元で統合できる体制が、成功には不可欠です。

株式会社インターブックスは、多言語翻訳力とDTP編集力を兼ね備えたサービス体制を持っており、万博規模の案件においても安心してご支援可能です。ご興味あれば、ぜひお気軽にご相談ください。


「インターブックスの多言語翻訳」について、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください

「インターブックスの多言語校正」について、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください


 

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