2025.05.12更新
翻訳外注ノウハウ

自動翻訳を使う前に知っておきたい6つの注意点|ビジネスで失敗しないために

【自動翻訳(機械翻訳)を使うとき】注意すべきこと

Google翻訳やDeepLなどの自動翻訳(機械翻訳)は、近年驚くべき進化を遂げており、日常会話や簡単な文書の翻訳には十分役立つようになりました。スマートフォンやPCひとつで即座に翻訳できる手軽さは、誰もが一度は利用したことがあるのではないでしょうか。

しかし、便利さの一方で、翻訳精度や情報漏洩のリスクなど、ビジネス用途には慎重な判断が求められるポイントも多く存在します。本記事では、自動翻訳を活用する際に押さえておくべき6つの注意点を、翻訳会社の視点から詳しく解説します。

情報漏洩のリスクを理解する

無料の翻訳ツールの多くはWeb上で提供されており、翻訳した文章がサーバーに送信されることで処理されます。この仕組みにより、機密情報が第三者に見られる可能性があることは見逃せません。

特に、未発表のプレスリリース、契約内容、顧客情報などの機密文書を誤ってアップロードした場合、重大な情報漏洩や信頼失墜につながりかねません。自動翻訳の利用規約には「責任を負わない」旨が明記されている場合も多く、ビジネスでの利用には細心の注意が必要です。

翻訳結果を鵜呑みにしない

自動翻訳はあくまでも「候補の提示」であり、100%正確な翻訳を保証するものではありません。特に語順や言い回しが複雑な文章、専門用語や業界固有の表現を含む文書では、大きな誤訳が生まれることがあります。

「ポストエディット(訳文の人手修正)」を活用する企業も増えていますが、それでも自動翻訳はあくまで“補助的なツール”であるという認識を持ちましょう。

原文を整えることで精度が向上する

自動翻訳の精度を高めるには、「翻訳前の文章を明確にする」ことが鍵です。以下のような工夫で、翻訳品質は大きく改善します:

  • 一文を短く区切る
  • 日本語の主語を明確にする
  • 慣用句や比喩表現を避ける

日本語は「ハイコンテクスト文化」に基づく言語であり、主語や目的語を省略しがちです。そうした表現は翻訳エンジンには通じないため、まずは原文を整理しましょう。

翻訳エンジンごとに精度が異なる

自動翻訳サービスは多数存在しますが、それぞれ異なるエンジン・データベースを用いているため、翻訳の質もバラバラです。無料のGoogle翻訳は汎用性が高い一方、DeepLや有料APIはより専門的な用途に強い傾向があります。

翻訳対象が医療、法律、ITなど専門性の高い分野であれば、分野特化型のエンジンを使う、もしくは人間の専門翻訳者に依頼する方が安全です。

翻訳後は必ず人間がチェックを

最新のAI翻訳は、見た目には自然で流暢な文章を生成します。しかし、文脈の誤解や用語の統一漏れ、固有名詞の誤訳など、人間でなければ見抜けないミスも多く含まれます。

  • 文が途中で切れていないか
  • 同じ用語が一貫して訳されているか
  • 人名・地名・会社名が正しく扱われているか

以上の点を、翻訳知識のある人が最終チェックすることが不可欠です。

用途に応じて使い分ける

翻訳品質の重要度は文書の用途によって異なります。以下のように使い分けましょう:

文書の種類 推奨される翻訳方法
社内メモ、SNS投稿 自動翻訳(+人による簡易チェック)
契約書、プレゼン資料、Webサイト 人間翻訳(プロ翻訳者による対応)
製品マニュアル、技術文書 自動翻訳 + ポストエディット or 専門翻訳

 自動翻訳を正しく使い分けることで、コスト削減と品質維持の両立が可能になります。

まとめ

自動翻訳は、AI技術の進歩によって非常に便利で身近な存在になりました。しかし、ビジネスにおいては「便利さ」よりも「正確さ」「信頼性」が重視されます。

情報漏洩や誤訳のリスクを避けるためにも、自動翻訳を使用する際は以下の点を意識してください。

  • 機密文書には使用しない
  • 翻訳結果を必ず確認・修正する
  • 原文を明確に整える
  • ツールの特性を理解して選ぶ
  • 最後は人間がチェックする

そして、翻訳の品質がビジネスの成果に直結する場合は、経験豊富なプロ翻訳者による「人間翻訳」が最善の選択です。

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