2023.11.17
翻訳ハック

弊社チェッカーに聞く~特許翻訳分野の勉強法

インターブックスでは金融・法務から知財・特許、IT・情報通信、エンターテインメントまで、幅広い分野の翻訳案件を承っております。
その翻訳案件の品質を支えているのは、さまざまな経歴の翻訳チェッカーです。
今日は弊社所属の翻訳チェッカーに、どのように特許分野の翻訳についての勉強法を聞いてみました。


翻訳コーディネーターとして入社し、雑多な翻訳案件の対応に追われる毎日を過ごしていた時、ひょんなことから特許翻訳の担当になってしまいました。知財についての知識など全くなかった私が、なんとか少しずつですが、どのように特許について勉強していったかお伝えいたします。

私が特許案件担当の翻訳コーディネーターになった頃は、拒絶理由通知書(出願された特許に、特許を受けることができない理由があると判断された場合に、特許庁から送られてくる書類)の英訳の依頼を大量に受けていました。毎日のように翻訳依頼があり納品があるという状況で、翻訳チェックを行う機会もあり、特許担当の翻訳コーディネーターになってから数年は拒絶理由通知書の内容を本当によく読んでいたと思います。このおかげで、引用されている文献をどのように検索すればいいのか、特許要件にはどのようなものがあり、出願された特許がどのように拒絶されるのかなどが自然と分かるようになってきました。また、拒絶理由通知書以外の中間書類(特許出願から特許になるまでの間に必要な書類)の翻訳案件もあったため、様々な段階の書類に触れることで特許出願の流れを知るのにも役立ちました。拒絶理由通知書を中心に実際の特許書類をたくさん読んでみるのも、特許の知識を深める一歩になると思います。

このように日々の業務の中で少しずつ特許の知識を増やしていきましたが、体系的に勉強したいと思っていました。手っ取り早い勉強法として本を読んでみたりもしましたが、特許についての書籍はいろいろあるし、何をどこまでやればいいのか分からず困っていたところ、知的財産管理技能検定というのがあることを知り、この検定合格を目指して勉強をしてみることにしました。検定用のテキストや過去問題を勉強することにより、知財について基礎から学べ、また、検定に合格できる範囲で勉強するということにしたので、どこまで勉強すればいいんだろう……という問題から解放されました。業務では、意匠や商標など特許以外の知財の翻訳案件を依頼されることもありましたが、検定合格には知財全体について勉強する必要があったため、特許以外の知財の知識も得たことが大いに役に立ちました。

現在は特許翻訳のチェッカーをしていますので、特許の翻訳についての知識がより必要になっていますが、コーディネーターの時に得た知識がないと分からない翻訳の内容もあります。私の勉強方法は周りに特許の専門知識を持った人もいない中での自分なりの方法ですので、正しい方法とは言えないかもしれませんが、このようにして得た知識が今の翻訳チェック業務での基礎となっていると思います。

 

▼書いた人
品質管理課 T
特許翻訳のプロジェクトマネージャーからチェッカー専門職に転課。翻訳・チェッカー応募者のトライアル採点も担当。

 



 
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