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2025.12.08
翻訳外注ノウハウ

【プロが解説!】教育翻訳とは?留学生獲得に直結する『シラバス』や『大学案内』英訳のコツ

教育翻訳とは?留学生獲得に直結する「シラバス」や「大学案内」英訳のコツ

少子高齢化による学生数の減少、そして国際化圧力の高まりを背景に、多くの日本の大学・教育機関が「留学生受け入れ強化」や「グローバル人材育成」に本腰を入れつつあります。これに伴い、留学生や海外からの応募者に向けた「シラバス(履修案内)」「大学案内」「コース紹介」「募集要項」などの英訳・多言語翻訳ニーズは急速に高まっています。

しかし、これら教育関連文書の翻訳は、ただ日本語を英語に置き換えるだけでは不十分です。正確な用語、教育制度の背景、学術的ニュアンス、履修条件・学習到達目標などをきちんと伝えることができなければ、留学生の信頼獲得や制度理解を妨げてしまう恐れがあります。

本コラムでは、教育翻訳の「なぜ重要か」「どこが難しいか」、そして留学生獲得につながる「シラバス/大学案内英訳」のコツと、翻訳会社を選ぶ際のポイントを詳しく解説します。

 

翻訳会社インターブックス

教育翻訳とは/なぜ今、ニーズが高まっているか

教育翻訳とは?留学生獲得に直結する「シラバス」や「大学案内」英訳のコツ

増加する留学生・グローバル人材ニーズ

世界のグローバル化、国際交流、大学の国際展開に伴い、留学生の受け入れを強化する大学が増えています。教育機関が外国人学生に門戸を広げるには、入学案内、募集要項、コース説明、シラバスなどを英語などで整備することが必要不可欠です。 また、海外からの留学生だけでなく、日本人学生の海外留学支援や、交換留学における単位移行のために、シラバスの英訳が求められるケースも増えています。 

教育関連文書の「専門性」と「制度依存性」

教育分野の文書には、学術用語、専門用語、学習到達目標、評価指標、教育制度や単位制度、履修条件など複雑な要素が含まれます。そのため、翻訳には 教育用語の正確性と文脈理解 が必要です。単なる一般翻訳では誤訳や意味のずれが起きやすく、教育機関の信用や留学生の意思決定に影響します。 特にシラバスは、授業内容や学修目標、到達水準、教員情報などが記載されており、誤訳は大きな混乱を招きかねません。 

多言語展開・継続更新の必要性

大学案内や募集要項、コース案内などは、一度英訳しただけでは十分ではありません。学年更新、科目改変、新設コースなどで内容が変わるたびに、翻訳の見直し・更新が必要になります。このため、翻訳会社との 継続的なパートナー関係 や 翻訳メモリ/用語集の管理 が重要になります。

主な対象:シラバスと大学案内、そしてそれぞれの役割

教育翻訳とは?留学生獲得に直結する「シラバス」や「大学案内」英訳のコツ

シラバス(Syllabus)の英訳

シラバスは、履修科目の概要、授業時間、教員、試験方式、学修到達目標などを示す重要資料です。海外大学への単位認定、交換留学、転学・編入などの際、留学先が授業の内容やレベルを判断する根拠として使われます。 そのため、正確性・専門性・一貫性が非常に重要です。誤訳・用語の統一ミス・概念の抜け落ちなどは、学生の単位認定拒否や混乱につながります。 

大学案内・募集要項・コース紹介の英訳

大学案内や募集要項、コース紹介パンフレットは、留学生獲得や海外プロモーションに直結する“窓口”。魅力的で分かりやすく、かつ正確な英訳が求められます。この種の文書では、教育システムの説明、奨学金情報、留学生サポート、施設案内など、多岐にわたる情報を整理し、読みやすく翻訳する必要があります。 

教材・研修資料・教育関連ドキュメントの翻訳

大学だけでなく、研修機関、塾、職業訓練機関など多様な教育機関において、教材、講義資料、カリキュラム、ハンドブックなどの翻訳ニーズがあります。こうした文書も、正しい専門用語と表現、受講者の文化的背景を踏まえたローカライズが必要です。

教育翻訳を成功させるための5つ+αのコツ

教育翻訳とは?留学生獲得に直結する「シラバス」や「大学案内」英訳のコツ

ここでは、特に「シラバス」「大学案内」など教育翻訳を依頼する際に押さえておきたいコツを挙げます。大学・教育機関の担当者としても、翻訳会社選定の際のチェックリストとしても活用できます。

コツ1:専門知識を持つ翻訳者を起用する

理系科目、文系、人文社会、芸術、ビジネスなど、分野によって用語や概念が大きく異なります。可能であれば、該当分野のバックグラウンドを持つ翻訳者に依頼することで、誤訳や不自然な訳語を防ぎ、正確性を高められます。 また、教育制度や学位制度に関する知見を備えた翻訳者であれば、留学生の混乱を防ぐ説明文の整備なども可能になります。

コツ2:翻訳メモリ (TM)/用語集 (Glossary) の整備と共有

教育機関特有の用語 — たとえば「学期 (semester/term)」「単位 (credit)」「履修登録 (enrollment/course registration)」「GPA」「講義/演習 (lecture/seminar)」など — を翻訳メモリや用語集で体系化し、翻訳のたびに再利用することで、訳語の統一と効率化が可能です。 また、複数言語・複数年度での運用を見越して、この仕組みを整備することで更新時の負荷を軽減できます。

コツ3:ネイティブチェックとローカライズを重視

英訳後には、ネイティブによる校正と文法チェック、さらに文化・受け手の背景に応じた表現調整を行うことが重要です。特に募集要項や大学案内は、読みやすさ、分かりやすさ、魅力的な表現が求められます。 また、留学生の母語が英語でない場合を想定し、平易な英語を使う、注釈を加える、といった配慮も有効です。

コツ4:フォーマット・レイアウト対応とDTP/デザインの意識

大学案内パンフレット、募集要項、シラバスPDFなどは、翻訳後に レイアウト調整、文字数調整、フォント変更、図表の翻訳・再配置 などが必要になることがあります。翻訳だけでなく、DTP・デザイン対応がある翻訳会社に依頼することで、見栄えも含めた完成度の高い資料が得られます。当社では、翻訳 + DTP + 多言語展開のワンストップ対応を提供しています。

コツ5:更新運用を見据えた契約とワークフロー設計

学年更新、シラバス改定、新設コース、制度変更など、教育関連文書は更新頻度が高くなりがちです。一度だけの翻訳で終わらせず、継続的な翻訳更新フローを整えることが、コスト削減と品質維持において重要です。翻訳会社とあらかじめ 年間サポート契約 を結ぶ、翻訳メモリを共有する、更新時の料金体系を明確にするといった体制を整えることが望ましいです。

コツ6(補足):機密性・正確性・コンプライアンスの確保

入学試験要項、奨学金条件、学生支援制度など、公的性・機密性を伴う文書もあるため、情報セキュリティ管理、正確な数字・条件の翻訳、コンプライアンス対応ができる翻訳会社を選ぶことが重要です。

なぜ翻訳会社に依頼すべきか? — 内製/機械翻訳との違い

プロ目線で見抜く!本当に頼れる翻訳会社の選び方とは?

近年では機械翻訳や大学内の教員・職員による内製による翻訳も試みられています。しかし、教育翻訳には以下のような理由で プロの翻訳会社に依頼する価値があります

  • 専門分野に精通した翻訳者による正確な訳と用語統一
  • ネイティブチェック・校正による読みやすさ・品質保証
  • 翻訳 + DTP + 多言語展開を一括で管理できるワンストップ体制
  • 用語集・翻訳メモリの管理、将来的な更新対応に強い
  • 機密性・正確性・コンプライアンス対応が制度的に整備されている

特に、留学生獲得や国際展開を目指す大学・教育機関にとっては、翻訳会社をパートナーにすることで、信頼性の高い情報発信が可能になります。

教育翻訳に成功した事例とポイント

【翻訳外注フロー構築ガイド】翻訳を”頻繁に”外注する人向け

(※以下は一般的傾向を示すものであり、当社の実績としてもこうした対応が可能です。)

  • 国内大学が、募集要項・大学案内・奨学金案内を英訳・多言語化し、海外からの留学生応募数を大幅に増加させた。
  • シラバスを英訳し、海外の大学との交換留学プログラム導入、単位認定がスムーズに成立。
  • 多言語パンフレットやWebサイト翻訳、教育機関の国際ブランディング強化により、グローバルな知名度と信頼獲得に成功。
  • 教材・研修資料の多言語化により、外国人講師や留学生の参加しやすさが向上し、多文化・多言語対応の教育環境整備に貢献。

成功の背景には、正確な翻訳 + ローカライズ + 継続運用 + デザイン対応 という一貫体制がありました。

まとめ

ChatGPTは翻訳業界をどう変える?可能性と限界、今後の翻訳のあり方とは

教育翻訳、特に「シラバス」「大学案内」「募集要項」「教材・研修資料」の英訳/多言語化は、これからの大学・教育機関の国際化、留学生受け入れ、グローバル人材育成において不可欠な要素です。翻訳の質と運用体制が、留学生獲得や国際展開の成果に直結します。

この記事で提示したポイントを振り返ると:

  1. 専門知識を持つ翻訳者の起用
  2. 用語集・翻訳メモリの整備と共有
  3. ネイティブチェックとローカライズ重視
  4. 翻訳 + DTP + 多言語展開のワンストップ対応
  5. 継続的な更新対応フローの設計
  6. 機密性・正確性・コンプライアンス対応

これらを踏まえることで、教育機関は安心・高品質で国際対応力ある情報発信を実現できます。

翻訳会社を選ぶ際には、単なる言語変換ではなく「教育コンテンツの信頼性・訴求力・将来更新対応力」を支えてくれるパートナーであるかをぜひご確認ください。

当社「株式会社インターブックス」も、教育翻訳の経験と実績を備え、翻訳・校正・DTP・多言語展開までワンストップで対応可能です。教育機関の国際化や留学生募集、多言語資料整備に関するご相談はお気軽にどうぞ。


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