- 2025.05.30更新
- 翻訳外注ノウハウ
【プロが解説!】IT翻訳とは?対応分野・料金相場・依頼のコツ

IT業界は日々進化し、グローバル市場での競争も激化しています。ソフトウェア、クラウド、AI、IoTといった最先端の技術領域において、正確かつスピーディな「IT翻訳」は、製品やサービスの展開を支える重要な役割を担っています。
しかし、「IT翻訳って誰に頼めばいいの?」「料金相場は?」「専門用語が多いけど、ちゃんと訳してもらえる?」と悩む企業も少なくありません。
本記事では、「IT 翻訳」に関心のある企業担当者や開発現場の皆さまに向けて、対応分野・料金相場・依頼時のコツを翻訳会社のプロの視点から詳しく解説いたします。
IT翻訳とは? 専門性が求められる理由
IT翻訳とは、IT・テクノロジー分野に特化した専門翻訳サービスです。
ソフトウェアのUI(ユーザーインターフェース)、マニュアル、仕様書、導入ガイド、開発ドキュメント、製品カタログ、サポートFAQなど、多岐にわたる技術文書を、専門知識を踏まえた正確かつ自然な表現で翻訳します。単なる言語変換ではなく、業界固有の用語の正確な訳出や、読者のITリテラシーへの配慮も重要なポイントです。
とくにグローバル市場を見据えた製品・サービスでは、翻訳の品質がユーザー体験や企業の信頼性に直結します。そのためIT翻訳には、技術への深い理解と高い言語スキルの両立が求められます。
IT翻訳には、次のような特徴があります。
- 高度な専門知識(技術的な理解、最新IT用語の把握)が必要
- ターゲット読者(技術者、一般ユーザー、管理職)に応じた翻訳文体の切り替え
- UI/UX・ローカライズの観点も重要
間違った訳語は、ユーザーの混乱や技術的な誤解を招くリスクもあるため、翻訳者にはIT分野に特化した経験と正確性が求められます。
IT翻訳の主な対応分野
IT翻訳は非常に幅広い分野に対応しています。以下に代表的な文書を分類してご紹介します。
1. ソフトウェア・アプリケーション関連
- ユーザーインターフェース(UI)翻訳
- 操作マニュアル/ユーザーガイド
- ヘルプファイル・ツールチップ
- インストール手順書
これらはローカライズ(現地化)が重要なポイントです。英語から日本語、または多言語対応が求められるケースが増えています。
2. システム開発・エンジニアリング関連
- 技術仕様書/設計書
- APIドキュメント
- ソースコード内コメント
- エラーメッセージやログ出力翻訳
開発者向けの文書であるため、正確な技術理解が必要です。IT系出身者や元エンジニアの翻訳者が多く活躍する分野です。
3. IT製品・サービスの紹介・営業資料
- パンフレット/製品カタログ
- ウェブサイト/LPの翻訳
- プレゼン資料(PPT)/導入事例
- FAQ・カスタマーサポート関連
製品やサービスの特長を伝わりやすく表現するライティング力も求められます。IT+マーケティングの視点を持つ翻訳者が重宝されます。
4. セキュリティ・法令対応関連
- プライバシーポリシー
- GDPR/個人情報保護方針
- サービス利用規約
- 情報セキュリティ関連報告書
法律的要素+IT用語のハイブリッドな翻訳が必要です。慎重な文書対応が求められます。
IT翻訳の料金相場は?
IT翻訳は文書の種類や専門度、言語ペア、納期によって料金が異なります。以下に日本語⇔英語を前提とした一般的な料金相場をご紹介します。
文書タイプ | 料金相場(日本語→英語) |
ソフトウェアUI翻訳 | 20〜35円/文字 |
マニュアル/仕様書 | 25〜40円/文字 |
ウェブサイト/LP | 20〜35円/文字 |
契約書・規約類 | 30〜45円/文字 |
ネイティブチェック(英文) | 5〜10円/単語 |
※翻訳対象が英語→日本語の場合は、単語単価で20〜30円が目安です。
※対応言語がドイツ語・中国語・フランス語などの場合は+10〜20%ほど加算されることがあります。
IT翻訳を依頼する際のポイント
IT翻訳で失敗しないためには、以下のポイントを意識して翻訳会社を選定・依頼することが重要です。
1. 専門翻訳者が対応しているか確認する
IT知識のない翻訳者が訳すと、技術的な誤訳や不自然な訳文になりやすいため、IT分野に精通した翻訳者の有無は最重要ポイントです。翻訳実績を確認しましょう。
2. 用語統一(グロッサリー)の重要性
専門用語や製品固有の表記(例:サーバー/サーバ、クラウド/Cloud)を統一することで、品質とユーザー体験が大幅に向上します。用語集がある場合は必ず共有を。
3. 開発環境やファイル形式への対応
ソースコードやHTML、XMLなどの形式で納品を希望する場合、翻訳会社側がその形式に対応できるかどうか確認が必要です。翻訳支援ツール(CATツール)の使用も有効です。
4. 機密情報の取り扱い体制
ソースコードや技術資料には知的財産が含まれる場合も多く、秘密保持契約(NDA)やセキュリティ体制が整っている会社を選ぶことが重要です。
5. ローカライズ対応の有無
UI翻訳などでは、ただ文字を訳すだけでなく、現地文化やユーザー視点に配慮したローカライズ対応が必要です。特にWebやアプリの海外展開時には重要です。
よくある質問(FAQ)
Q. ChatGPTなどAI翻訳と人力翻訳の違いは?
A. AI翻訳は便利ですが、技術的な誤訳や文脈のズレが生じやすく、UIや契約文書ではリスクがあります。IT翻訳では、人力によるチェックと編集が推奨されます。
Q. 納期はどれくらいかかりますか?
A. 文量や内容により異なりますが、A4×5ページで3〜5営業日が目安です。緊急対応が可能な翻訳会社もあります。
Q. 翻訳後にネイティブチェックは必要?
A. 英語ネイティブ向けの文書や公開用資料は、ネイティブによる校正で自然な表現に仕上げることが望ましいです。
まとめ:IT翻訳は製品品質と企業価値を支える鍵
IT翻訳は、製品やサービスの魅力を正しく伝えるための“技術的コミュニケーション”の要です。専門性と表現力が融合した翻訳は、海外市場での信頼獲得や競争力向上に直結します。
翻訳品質によって、ユーザー体験や企業イメージが左右される時代だからこそ、信頼できるパートナー選びがビジネス成功のカギです。
弊社では、IT・ソフトウェア・クラウド・セキュリティなど、専門性の高い分野に特化した翻訳者が多数在籍しています。開発資料からプロモーション資料まで、ニーズに応じた柔軟な対応が可能です。英語を中心に世界85か国語に対応しています。
外国語対応でお困りですか? どうぞお気軽にお問い合わせください。
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