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2025.11.20更新
翻訳外注ノウハウ

【プロが解説!】翻訳プロジェクト管理システム(TMS)XTRFとは?

翻訳プロジェクト管理システム(TMS)XTRFとは?

多言語翻訳プロジェクトが当たり前となった今、単なる「翻訳者への発注」では対応しきれない業務の複雑さが増しています。言語ペアの増加、複数ベンダーとの連携、CATツールや機械翻訳連携、納期・コスト・品質管理、請求・支払など背後には多くの管理工数があります。

そこで翻訳会社にも社内翻訳部門にも強く求められているのが「翻訳プロジェクト管理システム(TMS:Translation Management System)」です。インターブックスは日本国内でも数少ない、グローバルで実績あるXTRFを導入し、2,500名超・85言語体制の強みとあわせて、効率化・標準化・品質向上を実現しています。

以下では、XTRFが持つ機能・優位性、当社がそれを活用する技術的・運用上の特長、導入のポイント、活用メリット、そして発注者が把握すべき項目を詳しく解説します。

 

翻訳会社インターブックス

TMS(翻訳プロジェクト管理システム)とは何か?

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翻訳プロジェクト管理システム、いわゆるTMS(Translation Management System)とは、翻訳・ローカリゼーション業務の「ワークフロー管理」「資源(翻訳者・ベンダー)管理」「見積~発注~進行~納品~請求」の一連処理を一つのプラットフォーム上で統合するツールで、以下のような機能群を備えています:

  • プロジェクト作成・見積もり作成・発注・納品までのワークフロー管理
  • ベンダー/翻訳者管理(スキル、言語ペア、単価、稼働状況)
  • 翻訳支援ツール(CATツール=Computer Assisted Translation Tool)との連携、翻訳メモリ/用語ベースとの統合
  • クライアント・ベンダー・社内PM(Project Management)ポータル、ファイル共有・ステータス可視化
  • 請求・支払管理、レポーティング、KPI分析

当社の導入事例としても、「営業活動、案件登録、ベンダー管理までのプロセスがすべてTMS上に集約され、属人性を排除し、情報の一元化・プロセスの自動化が進んだ」と報告していますが、翻訳という言語作業そのものに加え、その背後の管理業務を効率化することが、TMSの本質といえます。

XTRFが持つ機能・グローバルツールとしての優位性

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インターブックスが導入した TMS は、世界で多くの言語サービスプロバイダー(LSP=Language Service Provider)やローカリゼーション部門で採用されている XTRF (エックスティーアールエフ)です。以下にその特徴と優位性を整理します。

機能概要と自動化

XTRF はプロジェクト管理、ベンダー管理、見積・請求、CATツール連携といった機能を単一プラットフォームで提供しています。例えば、「見積段階で対象ファイルを解析し、翻訳支援ツールの単価算出を連携」「プロジェクト開始時に自動タスク作成/翻訳者アサイン」「納品後の支払・請求処理をシステム内で完結」という流れを支援します。

また最新バージョンでは、納品ファイル履歴管理・プロジェクトグループ一括変更機能・XTM Cloud 等との統合強化といったアップデートも進んでいます。

多言語・多ベンダー環境への対応力

グローバルで翻訳・多言語展開を行うには、多数の言語ペア・翻訳会社・翻訳者・媒介ベンダーを同時に管理する必要があります。XTRFはスケーラブルな構成でこうした運用に耐えるプラットフォームであり、「70,000 件以上のタスク処理」などの実績も報告されています。

また、CATツールや機械翻訳(MT=Machine Translation)との連携が容易で、他エコシステムとの連携を含めた拡張性も有しています。

可視化・分析・KPI管理

プロジェクトの進捗、翻訳者稼働、納期遅れ・コスト超過などをダッシュボードで可視化でき、経営/プロジェクトマネージャーが翻訳事業をデータドリブンに運営できる点も XTRF の優位性です。

このように、XTRFは「翻訳会社/多言語翻訳を行う部署」にとってグローバルに使える翻訳管理基盤として優れたツールであり、当社がそれを先んじて導入していることが技術的な優位点でもあります。

インターブックスにおける XTRF 活用と先見性

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当社は「世界85言語対応・2,500名超のプロ翻訳者/ネイティブ翻訳者体制」をもとに、多言語翻訳・編集・DTP・多媒体展開のワンストップサービスを提供していますが、XTRF を日本国内でも早期に導入・本格運用したことで以下のような先見性・技術優位点を有しています。

情報一元化・プロセス標準化の実現

インターブックスでは「営業から案件登録、翻訳者選定、進捗管理、納品、請求・支払」までのフローを XTRF 上に集約し、メール・Excel・個別ツールによる分散プロセスを大幅に削減しました。これにより、プロジェクトマネージャーが進捗をリアルタイムで把握でき、属人性を排除した運営が可能となっています。

ベンダー/翻訳者管理の高度化

XTRF のベンダー管理機能を活用して、翻訳者・校正者・DTPオペレータの「言語ペア」「専門分野」「単価」「履歴」「稼働状況」等をデータベース化。重要プロジェクト発注時のマッチング精度とスピードが向上し、適切なリソース配分を実現しています。

CATツール・ワークフローとの連携

当社は翻訳支援ツール(CATツール)を活用しつつ、XTRFを起点に「ファイル解析→見積作成→翻訳者アサイン→納品」までの自動化/半自動化ワークフローを構築しています。これにより、見積スピードや納期遵守率、コスト管理能力の向上に成功しています。

高品質・多言語展開体制の支援

XTRF上で案件が管理されているため、多言語・多媒体(翻訳+DTP+多言語校正+印刷・Web納品)という複雑なプロジェクトであっても、進捗・納期・品質管理が一元化され、インターブックスが提供する「翻訳+DTP」のワンストップサービスにおいて技術的差別化になっています。

XTRF導入・活用時に押さえるべき5+αの観点

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翻訳会社や企業で TMS(特に XTRF)を導入・運用する際には、以下の項目を確認・設計しておくことが成功の鍵となります。

観点1:業務プロセスの設計とワークフロー定義

TMSを導入しても、「属人化されたワークフローそのまま」では効果は限定的です。見積/発注/翻訳/校正/納品/請求といった一連を整理し、テンプレート化・自動化ルールを定義することが重要です。

観点2:翻訳リソース/ベンダー情報の登録と維持

翻訳者・校正者・DTPオペレータなどの情報を言語ペア・専門分野・稼働状況等で管理し、適材適所のアサインができる体制を整備します。このためのベンダー管理機能がTMSでは非常に重要です。

観点3:CATツール・機械翻訳・ワークフロー連携

XTRFは CATツールや機械翻訳(MT)エンジンとの連携機能を持つため、これらを活用して「初稿生成→人手翻訳/校正」のハイブリッド翻訳を推進する設計が可能です。

観点4:データ可視化とKPI管理

納期遵守率、コスト対効果、翻訳者稼働、ベンダー品質スコアなどをダッシュボードで可視化し、継続的改善に繋げる仕組みを設けましょう。

観点5:拡張性と多言語/多媒体対応

翻訳プロジェクトが多言語・多媒体化する中、TMSの拡張性(プラグイン/API連携/カスタムワークフロー)が重要です。XTRFはその点で高い適合力を持っています。

観点6(補足):セキュリティ・品質保証

翻訳には機密文書・契約書・技術資料などセンシティブな情報が含まれる場合もあります。TMS導入時には情報保護、アクセス管理、ログ管理なども併せて検討すべきです。

観点7(補足):ユーザー教育・運用定着

どんなに優れたTMSでも、運用者の習熟度・プロセスの定着がなければ活用効果は出づらいものです。PM(プロジェクトマネージャー)・翻訳者・校正者・営業スタッフに対して教育・マニュアル・定期レビューを行うことが重要です。

TMS/XTRF活用による翻訳会社・企業のメリット

チェックポイント

実際に XTRF 等のTMSを活用することで、翻訳会社・企業が得られるメリットを以下に整理します。

  • 効率性向上:見積作成から納品・請求までの時間短縮、手作業削減による工数削減
  • コスト管理の透明化:自動見積・コスト配分・ベンダー単価管理により利益構造が見えやすくなる
  • 品質管理の強化:ベンダー・翻訳者の履歴・稼働データ・校正状況が一元管理され、品質維持・改善が可能に
  • スケーラビリティ対応:言語数・案件量が増えても、TMSにより運用が拡張可能
  • データ活用による改善サイクル:KPIやレポートから改善点を抽出し、翻訳プロセスの継続的効率化が可能

インターブックスではこれらのメリットを「翻訳+DTP+多言語展開」のサービス設計において実践しており、XTRF導入による運用基盤がサービス力の源泉となっています。

まとめ

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翻訳プロジェクトの規模・複雑性が増す中、翻訳会社・企業がこれまで以上に直面しているのが「運用管理の難しさ」です。しかし翻訳プロジェクト管理システム(TMS)、特にグローバルツールである XTRF を導入することで、効率化・標準化・拡張性・品質管理を高めることができます。

インターブックスが誇る先見性と技術的優位点は以下のとおりですが、

  • 世界85言語・2,500名超のプロ翻訳者体制を支える運用基盤
  • 日本国内でも数少ない、XTRFを本格導入・社内運用している翻訳会社
  • 翻訳+DTP+多言語展開を一貫して管理できる体制
  • ベンダー管理・CATツール連携・KPI可視化といった運用設計力
  • ISO 17100・ISMS認証取得による品質・セキュリティ保証

翻訳を外注されるお客様やTMSを運用される方は、以下の観点を押さえておくことが成功の鍵です。

  • ワークフロー設計・自動化を前提としたプロセスの構築
  • 翻訳者・校正者などリソース登録・管理の仕組み化
  • CATツール・機械翻訳との連携設計
  • データ可視化・KPI運用・改善サイクルの確立
  • 多言語・多媒体展開に向けた拡張性の確保
  • セキュリティ・品質保証体制の運用と浸透
  • 運用定着のためのユーザー教育と体制整備

翻訳プロジェクトを「ただ翻訳する」レベルでなく、「グローバル展開・ブランド発信・多言語運用戦略」の一環として捉えるのであれば、TMSの活用、そしてそのTMSを熟知した翻訳会社をパートナーに選ぶことが不可欠です。

当社はそのための体制と実績を有しており、翻訳・多言語展開を検討されるお客様に対して、技術的・運用的な支援をご提供いたします。ご相談、ご質問などがございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。


「翻訳管理システム「XTRF」」について、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください(メーカーサイト、英文)

「インターブックスでの翻訳業務管理効率化の取り組み」について、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください


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