- 2025.05.02更新
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【2025年最新版】世界の言語データ

言語はそれ自体が常に変化しているだけでなく、私たちが持つ言語に関する知識も毎年のように変わります。ゆえに世界に存在する言語の総数を正確に知ることは不可能です。言語の数は世界の言語に関する知識が向上するにつれて変化するものなのです。
概要
人口統計
人口 | 76.83億人 |
言語 | 7,159言語 |
聴覚障がい者数 | 4.3億人 |
識字率 | 87% |
出典:https://www.ethnologue.com/
言語の活力レベル
以下の4つの要約レベルは、拡張段階的世代間崩壊尺度(EGIDS=Expanded Graded Intergenerational Disruption Scale )のレベルをグループ化することで導き出したものです。この尺度は、Ethnologue(エスノローグ)が各言語の状態を発展か絶滅危惧かの観点から評価するために使用している、より細かい尺度です。
レベル | 言語数 | 状態 |
制度的に使用 | 485 | その言語は家庭や地域社会の枠を超えた制度によって使用され、維持されるまでに発展している |
安定的に使用 | 3,481 | その言語が正式な制度によって維持されているわけではないが、家庭や地域社会ではすべての子どもがその言語を学び、使用することがまだ普通である |
絶滅危惧種 | 3,193 | もはや子どもたちがその言語を学び、使うことが当たり前ではなくなっている |
絶滅 | 454 | もはやその言語は使われておらず、誰もその言語に関連した民族的アイデンティティを保持していない |
出典:https://www.ethnologue.com/
世界にはいくつの言語があるのか?
世界では現在「7,159」の言語が使用されている
私たちは日々、世界の言語について新たな発見をしており、この数字は常に変動しています。それ以上に注目すべきなのは、言語そのものが非常に流動的であるという点です。言語は、急速に変化する世界の中で形成されたコミュニティによって使用されていますが、現代はとても脆弱な時代といえます。
実際、現在存在する全言語のおよそ44%が絶滅の危機に瀕しており、その多くは話者が1,000人未満です。一方で、世界のわずか20の主要な言語が、合計で約37億人もの母語話者を抱えており、これは世界人口のおよそ半分に相当します。つまり、世界の言語のわずか0.3%が、地球上の半分の人々に使用されているのです。
最も多く話されている言語は?
ネイティブスピーカーだけの場合は「中国語」が世界最大の言語
標準中国語は、第一言語(母語)話者の数において、世界で最も多く話されている言語です。これは、中国の人口が非常に多いことが主な要因です。中国語は、共通の文字体系や文学を共有していることから、すべて「中国語」として扱われる19の言語から成るグループです。代表的なものとしては、呉語や広東語などが挙げられます。
順位 | 言語 | 話者数(億人) |
1位 | 中国語 | 9.9 |
2位 | スペイン語 | 4.8 |
3位 | 英語 | 3.9 |
4位 | ヒンディー語 | 3.5 |
出典:https://www.ethnologue.com/insights/most-spoken-language/
ネイティブスピーカーに第二言語使用者を加えると「英語」が世界最大の言語
第二外国語、第三外国語、さらにそれ以上の言語として英語を話す人々を含めると、英語は世界で最も広く使われている言語となります。これは、まず大英帝国による植民地支配の影響が大きく、その後はアメリカ文化の世界的な広がりによるものです。
順位 | 言語 | 話者数(億人) |
1位 | 英語 | 15.3 |
2位 | 中国語 | 11.9 |
3位 | ヒンディー語 | 6.1 |
4位 | スペイン語 | 5.6 |
出典:https://www.ethnologue.com/insights/most-spoken-language/
北京語は話者が特定の地域に集中しているのに対し、英語は広く拡散しています。マンダリン(標準中国語)の話者数は主にネイティブスピーカーによるものであるため、第一言語話者が最も多いアジアを中心とした限られた国々に集中しているのは、当然のことといえます。一方で、英語は非ネイティブスピーカーが多く、特にアフリカを中心に、はるかに多くの国々で話されています。英語は188の国で使用されており、北京語の108の国と比較すると、その広がりの差は明らかです。
中国語話者分布と割合
出典:https://www.ethnologue.com/insights/most-spoken-language/
色が濃いほど割合が高い。
英語話者分布と割合
出典:https://www.ethnologue.com/insights/most-spoken-language/
色が濃いほど割合が高い。
最も多く話されている言語は?
Ethnologue 200(エスノローグ200)にリストアップされている「世界最大の言語」または「最も話されている言語」言語で、世界の人口のほとんどを占めています。88%以上の人々がこれらの言語のいずれかを母国語として話し、さらに何億もの人々が第二言語として話していますが、このランキングはその両方を考慮し、世界での総使用量を示しています。
最も話されている言語トップ20(2025年)
順位 | 言語 | 話者数(億人) |
1位 | 英語 | 15.28 |
2位 | 中国語 | 11.84 |
3位 | ヒンディー語 | 6.09 |
4位 | スペイン語 | 5.59 |
5位 | アラビア語 | 3.35 |
6位 | フランス語 | 3.12 |
7位 | ベンガル語 | 2.84 |
8位 | ポルトガル語 | 2.67 |
9位 | ロシア語 | 2.53 |
10位 | インドネシア語 | 2.52 |
11位 | ウルドゥー語 | 2.46 |
12位 | ドイツ語 | 1.34 |
13位 | 日本語 | 1.26 |
14位 | ナイジェリア・ピジン語 | 1.21 |
15位 | エジプトアラビア語 | 1.19 |
16位 | マラーティー語 | 0.99 |
17位 | ベトナム語 | 0.97 |
18位 | テルグ語 | 0.96 |
19位 | ハウサ語 | 0.94 |
20位 | トルコ語 | 0.91 |
最も多くの言語が使われている国は?
パプアニューギニアが世界最大で800言語以上、インドネシアも700以上の言語を使用
最も言語の多い国トップ10(2024年)
順位 | 国名 | 言語数 |
1位 | パプアニューギニア | 841 |
2位 | インドネシア | 721 |
3位 | ナイジェリア | 538 |
4位 | インド | 459 |
5位 | アメリカ | 364 |
6位 | オーストラリア | 320 |
7位 | 中国 | 308 |
8位 | メキシコ | 304 |
9位 | カメルーン | 281 |
10位 | ブラジル | 240 |
固有の言語が最も多い大陸は?
土着の言語が最も多いのはアジアで、僅差でアフリカが続く
固有の言語が最も多い地域はアジアであり、僅差でアフリカがこれに続きます。この二つの地域を合わせると、世界の言語のおよそ3分の2を占めています。地形や文化の歴史、古代文明の広がりなど、数え切れないほど多くの要因が、特定の地域でどれだけの言語が誕生したかに関係しているのです。
世界の言語地域別シェア(2025年)
地域 | シェア(%) |
アジア | 32.2 |
アフリカ | 30.3 |
太平洋 | 18.4 |
アメリカ | 14.9 |
ヨーロッパ | 4.1 |
出典:https://www.ethnologue.com/insights/continents-most-indigenous-languages/
世界の82%の人々がアジアまたはヨーロッパの言語を使用
言語の起源は主にアフリカ、アジア、太平洋地域にありますが、実際にそれらの言語をどれだけの人が話しているのでしょうか。ある地域の人口の多さや、ここ数世紀にわたる植民地支配の拡大を考えれば、現在の言語使用の分布は決して驚くべきことではありません。これとは対照的に、世界の言語の18.4%を占める太平洋地域の言語は、非常に少数の人々によって話されており、そのため以下の表にはほとんど反映されていません。
言語数と話者人口(出身地域別、2025年)
出身地域別言語
出身地域 | 言語数 |
アジア | 2,307 |
アフリカ | 2,167 |
太平洋 | 1,319 |
アメリカ | 1,070 |
ヨーロッパ(黄色) | 296 |
出典:https://www.ethnologue.com/insights/continents-most-indigenous-languages/
出身地域別人口
出身地域 | 人口(億人) |
アジア | 43.16 |
ヨーロッパ | 17.7 |
アフリカ | 11.35 |
アメリカ | 0.53 |
太平洋 | 0.072 |
出典:https://www.ethnologue.com/insights/continents-most-indigenous-languages/
※今住んでいる場所ではなく、使用言語がどこから来たかということ(例:中国に住む英語を話す男性はヨーロッパに分類)。
太平洋の言語は、北米や南米の言語と並び、それぞれ平均1,000人しか話者がいない
しかし、これらの言語を合わせると、世界の言語のおよそ3分の1を占めることになります。
これらの小さなコミュニティは、世界的な舞台で大きな声を上げることはないかもしれませんが、私たちが共有する言語遺産の多くを担っているのです。
地域に存在する言語をそれぞれ使用する人口の割合(2024年)
地域 | 話者数(人) |
アフリカ | 35,300 |
アメリカ | 1,055 |
アジア | 12,000 |
ヨーロッパ | 28,675 |
太平洋 | 1,050 |
最も大きな言語ファミリーは?
ニジェール・コンゴ語族、オーストロネシア語族、ニューギニア語族、チベット語族、インド・ヨーロッパ語族、アフロ・アジア語族が6大語族
143の異なる語族の中でも、これら6つの語族は世界の主要な語族として際立っています。これらの語族は世界各地に分布しており、地域や国ごとに独自の広がりを見せています。なお、その語族に属する少なくとも1つの言語が主要言語となっている国には、色が付けられています。
6つの主要言語ファミリー(2021年)
インド・ヨーロッパ語族
アフロ・アジア語族
ニジェール・コンゴ語族
オーストロネシア語族
チベット語族
ニューギニア語族
出典:https://www.ethnologue.com/insights/largest-families/
言語ファミリー別言語数(2025年)
語族 | 語数 |
ニジェール・コンゴ語族 | 1,532 |
オーストロネシア語族 | 1,221 |
ニューギニア語族 | 477 |
チベット語族 | 461 |
インド・ヨーロッパ語族 | 446 |
アフロ・アジア語族 | 376 |
その他 | 2,646 |
出典:https://www.ethnologue.com/insights/largest-families/
これらの語族は、世界の言語の少なくとも5%をそれぞれ含んでおり、合わせると全言語のおよそ3分の2を占めています。ニジェール・コンゴ語族とオーストロネシア語族は、この観点から見ると二大語族といえます。それぞれ、サハラ以南のアフリカと東南アジアにおける驚くほど多様な言語によって構成されており、1,000以上の言語が存在しています。
言語ファミリー別話者人口(2022年)
語族 | 人口(億人) |
インド・ヨーロッパ語族 | 33.90 |
チベット語族 | 14.70 |
アフロ・アジア語族 | 6.68 |
ニジェール・コンゴ語族 | 6.59 |
オーストロネシア語族 | 3.84 |
ニューギニア語族 | 0.04 |
その他 | 10.9 |
出典:https://www.ethnologue.com/insights/largest-families/
これら6つの語族は世界人口の6分の5を占めています。話者数を基準にすればインド・ヨーロッパ語族と中国・チベット語族の2つが最大の語族であり、この2つの語族で46億人以上の話者がいます。英語はインド・ヨーロッパ語族に分類され、北京語は中国語チベット語族に分類されます。
ある言語が複数の国で話されている場合は、そのうちの1か国を第一言語として指定しています。通常はその言語の原産国か、その言語の使用者が最も多い国を指します。
絶滅の危機に瀕している言語の数は?
3,193の言語が絶滅の危機に瀕している
言語の総数と同様、この数は常に変化しています。ある言語が絶滅の危機に瀕するのは、その言語の使用者がより支配的な言語をコミュニティの子どもたちに教え、話し始めたときです。その性質上、絶滅の危機に瀕している言語は話者がほとんど残っていないことが多く、その言語に関する情報を得るのが難しい場合があります。また、ある言語を最後に話したとされる人が、公的な記録なしに亡くなってしまうこともあります。ここに掲載したのは現在知られている絶滅危惧言語です。
言語の総数と同様に、この数も常に変化しています。ある言語が絶滅の危機に瀕するのは、その言語の話者が、より支配的な言語を子どもたちに伝え始めたときです。その性質上、絶滅の危機にある言語は話者がほとんど残っていないことが多く、その言語に関する情報を得るのが難しい場合があります。また、ある言語を最後に話したとされる人物が、公的な記録が残らないまま亡くなってしまうこともあります。
現存する言語のうち約42%が絶滅の危機に瀕しているが、それ以上の数の言語は安定していると考えられています。言語が安定しているのは、コミュニティーの子どもたち全員がまだその言語を学び、使っている場合です。今は安定している言語も状況次第で絶滅の危機に瀕するほど減少する可能性があります。家庭や地域社会の枠を超えた制度によって使用され、維持されるまでに発展している制度言語については、絶滅の危機に瀕する可能性は最も低いでしょう。その多くは政府、学校、マスメディアなどで採用されていて、第二言語としても使われています。
現存する言語の状況(2025年)
現存する言語のうち約44%の言語が絶滅の危機に瀕していますが、それ以上に多くの言語は安定していると考えられています。言語が安定しているとされるのは、コミュニティの子どもたち全員がその言語を習得し、日常的に使用している場合です。しかし、そのような状況が変化すれば、現在は安定している言語であっても、将来的に絶滅の危機に瀕する可能性があります。制度語(制度的に使用されている言語)が絶滅の危機に瀕する可能性は最も低く、政府、学校、マスメディアなどで採用されています。これらの言語の多くは、第二言語として使用されています。
状況 | 比率(%) |
制度的に使用 | 6.77 |
安定的に使用 | 48.62 |
絶滅危惧種 | 44.60 |
まとめ
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