2023.03.27
出版関連

心に残る一冊 ~プレリュード&ノクターン刊行秘話


 
日本に帰国後、いったいこの作品は日本で売れるのかどうかを確かめるために、その当時徳間書店から白夜書房に移ってコミックの編集長として活躍していた海外漫画の世界では知る人ぞ知る、おしぐちたかしさんにサンドマンは日本でブレークするものか聞きに行きました。
 
おしぐちさん曰く、「サンドマン、渋いねー。僕は好きだけど、日本ではなかなか難しいじゃないかな?」の一言。
おしぐちさんには、翻訳者の海法さんや小野耕世さん(後にドリームハンターの監修を依頼)を紹介してもらったりと、本当にお世話になりました(感謝)。そのほかいろいろと聞いたところ、どこもあまり売れそうだというような答えはありませんでした。
 
しかし、この本を日本の読者にも見てもらいたいという情熱は冷めきれず、まず、日本ユニエージェンシーさんに版権の扱いがあるかどうか確認し、DCの版権はアサノエージェンシーさんが持っているということで、社長の浅野さんを訪ねました。日本で出版したい旨を伝えると、DCの編集者を紹介してくれて、いろいろメールでやり取りした記憶があります。
 
その当時はデジタルデータなどなく、セリフが空白になっている、製版用のフィルムがアメリカから送られてきて、一つ一つ、活字写植した日本語の文字をセリフの枠に入れていくという大変な作業でした。
 
そうこうするうち、1998年6月『サンドマン1 プレリュード&ノクターン(上)』が誕生したのでした・・・。
 
続く