2025.05.13更新
翻訳外注ノウハウ

翻訳納期はどう決まる?スケジュールに影響する5つの要素とは

【翻訳の納期を決める】5つの要素

翻訳を依頼する際、納期は重要な判断基準のひとつです。しかし、単に「発注から納品まで」の期間だけでなく、「納品後の検収(内容確認)」まで含めたスケジューリングを意識することが、高品質な翻訳を無理なく受け取る鍵となります。では、翻訳納期は何によって決まるのでしょうか?

ここでは翻訳のプロセスにおける納期決定の主要な5つの要素を詳しく解説します。

原文のボリュームと言語

納期を左右する最大の要因は、原文の量です。

  • 日本語・中国語など:文字数でカウント

  • 英語・独仏などの欧文:単語数でカウント

さらに、1人の翻訳者が1日で翻訳できる目安は次のとおりです。

言語 翻訳可能量(1日あたり)
日本語 約3,200文字
中国語 約2,600文字
韓国語 約3,900文字
英語 約1,600ワード
ドイツ語 約1,100ワード
フランス語 約1,900ワード
イタリア語 約2,200ワード
スペイン語 約1,800ワード
ポルトガル語 約1,700ワード

翻訳納期の基本式は以下のようになります:

翻訳納期(営業日)= 原文ボリューム ÷ 翻訳量/日 + 2〜3日(調整日)

ただし、複数名体制で納期を短縮する場合、文体や表現のバラつきが生じるリスクがあるため、用途によっては慎重な判断が必要です。

DTP(レイアウト)作業の有無

原稿がPowerPoint、Illustrator、InDesign、HTMLなどで作成されている場合、翻訳後のテキスト再配置やレイアウト調整が必要になります。

このDTP作業には、以下のような影響があります:

  • 翻訳後の調整に時間がかかる

  • 別料金(DTP費)が発生する

  • フォント、サイズ、改行の再設定が必要

WordやExcel内の図表やテキストボックス、Webページのコーディングも、同様に納期を延ばす要因となります。

五月雨式の入稿や原稿差し替え

「五月雨式入稿」とは、原稿の完成を待たずに、部分的に先行して翻訳を始める方式です。一見効率的に見えますが、実際には:

  • 進行の都度調整が必要

  • 文脈の統一が困難

  • 結果的に納期が延びるケースが多い

また、作業中の原稿差し替えは、手戻り作業や誤訳リスクを高めるため、納期と品質の両面で悪影響を及ぼします

翻訳支援ツール(CATツール)の使用有無

TradosやMemsourceなどの**翻訳支援ツール(CATツール)**は、納期短縮に大きく貢献します。主な利点は:

  • 翻訳スピードの向上

  • 用語の一貫性維持

  • 重複箇所の自動処理

  • 複数名作業の効率化

ただし、マニュアルや取扱説明書のように定型・反復が多い文書に最適化されているため、マーケティング資料や文芸翻訳などには向かないケースもあります。

複数翻訳者による同時作業の可否

大規模な翻訳案件では複数名の翻訳者による同時進行が検討されますが、以下の点に留意が必要です:

  • テイストや文体の統一が困難になる

  • 校正・レビュー工程に時間を要する

  • 文芸・論文など表現の一貫性が求められる文書では不向き

翻訳の質を優先するなら、単一翻訳者による一貫性のある作業を前提にスケジュールを組むのが理想です。

まとめ:納期設定は「品質」と「計画性」がカギ

翻訳納期は単に原稿量だけで決まるものではなく、言語の種類、レイアウト作業、原稿の状態、ツール活用の有無、作業体制など、さまざまな要素が複雑に絡み合っています。慌てて依頼しても、無理な納期設定では期待する品質は得られません。だからこそ、余裕をもった計画的な依頼が非常に重要です。

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