- 2025.05.12
- 翻訳外注ノウハウ
【プロが解説!】金融翻訳とは?対応分野・料金相場・依頼のコツ

金融分野では、専門性が高く正確な翻訳が求められる場面が多数存在します。特に、国際的なビジネスや投資活動が活発になる中で、「金融 翻訳」に関心を寄せる方が増えており、翻訳の品質がビジネスの信頼性や成功を左右するケースも少なくありません。
本記事では、「金融 翻訳」に関心のある企業担当者や個人投資家の方に向けて、翻訳会社のプロ視点から「金融翻訳とは何か」「対応分野」「料金相場」「依頼の際の注意点」などをわかりやすく解説いたします。
金融翻訳とは?
金融翻訳とは、金融・経済・投資・会計・保険・証券といった分野に関する文書を、他言語に正確に翻訳するサービスです。代表的な言語ペアは「日本語⇔英語」ですが、近年では中国語・フランス語・ドイツ語など、多言語対応のニーズも高まっています。
金融翻訳では、高度な専門知識と精緻な用語管理が求められるため、他の一般的な翻訳業務とは異なり、金融業界の経験や経済知識を持つ翻訳者による対応が必要です。また、金融文書は読者層(投資家・機関投資家・当局・顧客など)によってトーンや表現が異なるため、対象読者に最適化された翻訳スキルが不可欠です。
金融翻訳の主な対応分野
金融翻訳と一口に言っても、実際の対応文書は多岐にわたります。以下に、代表的な翻訳対象を紹介します。
1. IR資料(投資家向け資料)
企業の財務状況や成長戦略を海外投資家に伝えるIR資料(統合報告書、決算説明資料など)は、精緻かつ誤解のない表現が求められます。企業価値や株価に影響する重要情報が含まれるため、翻訳精度が非常に重視されます。
2. 財務諸表・会計報告書
貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書などの会計関連文書は、IFRSやGAAP(米国会計基準)に準じた知識が必要です。会計専門用語や略語の正確な訳出はもちろん、フォーマット整備も重要なポイントです。
3. 投資ファンド関連資料
ファンド運用報告書、目論見書(Prospectus)、KID(Key Information Document)などは、規制に準拠した表現と明確なリスク開示が求められます。金融商品取引法や各国の規制に対応した翻訳が必須です。
4. 銀行・証券会社の契約書
貸付契約書、デリバティブ契約、金融商品取引契約などは、リーガル翻訳の知識と金融知識の両方が問われます。一語の誤訳が大きなトラブルを引き起こす可能性があるため、慎重な翻訳が不可欠です。
5. 金融ニュース・市場レポート
アナリストレポートや市況分析などでは、スピードと正確性のバランスが重要です。業界用語や比喩表現、略語に精通した翻訳者による迅速な翻訳対応が求められます。
金融翻訳の料金相場
金融翻訳の料金は、文書の種類・言語ペア・専門性・納期によって変動します。以下に、一般的な日本語⇔英語の相場をご紹介します。
文書タイプ | 料金相場(日本語→英語) |
IR資料・一般報告書 | 20~30円/文字 |
財務諸表・会計文書 | 25~40円/文字 |
契約書・法務関連文書 | 30~45円/文字 |
英語→日本語の翻訳 | 25~40円/単語 |
ネイティブチェック | 5~10円/単語 |
特急料金(24~48時間納品) | 通常料金の1.2~1.5倍 |
※専門性が高い文書や、フォーマット整備を含む場合は別途費用が発生することがあります。見積もりは無料で依頼可能です。
金融翻訳を依頼する際のポイント
1. 専門知識のある翻訳会社を選ぶ
金融翻訳は、翻訳者の専門知識と経験が仕上がりに直結します。翻訳会社の金融分野の実績や、専任翻訳者のプロフィールを確認しましょう。中には、元金融機関勤務の翻訳者や公認会計士資格を持つ者もいます。
2. 機密保持の体制を確認する
金融関連の文書は、機密情報が多く含まれます。NDA(秘密保持契約)の締結、セキュリティ管理体制(ISO認証など)が整っている翻訳会社に依頼することが重要です。
3. 用語集・参考資料を事前に共有する
一貫した用語使用と企業独自の文体を反映するには、用語リストや過去の翻訳文書の提供が有効です。翻訳品質を高めるための情報共有は、依頼者と翻訳者双方にとって有益です。
4. ネイティブチェック・ダブルチェックを活用する
重要な文書は、翻訳+校正+ネイティブチェックの3ステップを推奨します。文法ミスだけでなく、読み手視点での自然さ・正確性を担保することで、対外的な信頼度が高まります。
5. 納期と対応スケジュールを明確にする
特に金融文書は「○月○日の開示資料」など、明確な締切があるケースが多いです。事前に納品希望日時と進行フローを共有し、部分納品や優先文書の指定なども相談しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 自動翻訳では対応できませんか?
A. 金融翻訳では、専門用語・文脈・規制対応が非常に重要なため、機械翻訳では不十分です。誤訳が企業リスクや法的問題につながる可能性があるため、プロによる翻訳をおすすめします。
Q. 社内で翻訳対応する場合との違いは?
A. 社内翻訳では人的リソースや専門性の限界があることが多いため、品質・スピード・客観性を担保できる外注翻訳が有効です。特に開示資料や対外文書では第三者チェックが信頼性につながります。
Q. 翻訳後のフォーマット調整やPDF納品も可能ですか?
A. 可能です。翻訳と同時にPowerPoint・Excel・InDesignなどのレイアウト対応や、PDFでの納品、二言語版の作成にも対応しています。
まとめ|金融翻訳は信頼と品質の投資
金融翻訳は、専門性・正確性・スピードのすべてが求められる高度な業務です。正確な情報提供が企業価値の向上や投資家との信頼関係構築につながる現代において、翻訳品質は“見えない競争力”とも言える存在です。
金融分野の翻訳を依頼される際は、専門知識と翻訳技術を兼ね備えたパートナーの選定が成功の鍵となります。
弊社では、金融・IR・法務に強い翻訳者が対応し、丁寧かつ高品質な翻訳サービスを提供しております。初めてのご依頼から、大規模プロジェクトまでお気軽にお問い合わせください。英語を中心に世界85か国語に対応しています。
外国語対応でお困りですか? どうぞお気軽にお問い合わせください。
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