翻訳コラム

COLUMN

第223回スクショは適法?

2019.12.05
弁理士、株式会社インターブックス顧問 奥田百子

スクショ(スクリーンショット)に関する著作権法改正の議論が再び沸き起こっています。
スクショ自体が違法という誤解を生じさせそうなので、説明しておきます。

スクショはメモ代わりに一般的に行われますが、ここに他人の画像が映り込んでしまった場合、著作権侵害となるのでしょうか?
たとえば、無断で使った他人のキャラクター(つまり違法画像)がSNSやインターサイトに掲載されており、この画面をスクリーンショットした場合、違法画像が映り込んでしまいますが、これは著作権侵害ではない、という著作権法改正案が議論されています。

つまり、スクリーンショットに違法画像が映り込んでも、著作権侵害にはならないといことです。しかしこれは、違法画像が付随的である場合であり、違法画像がメインに写す行為や、他人のキャラクターを複製する行為自体はは著作権侵害です。

翻訳

A discussion regarding screenshots (abbreviated to sukusho in Japanese) in the amended Copyright Act has arisen again. This may cause the misunderstanding that capturing a screenshot infringes copyright, so I’ll explain things below.

Screenshots are generally captured instead of taking notes, but does that mean capturing a screenshot in which other persons’ images appear infringe copyright? The amendment to the Copyright Act suggests that capturing screenshots of social media or sites on which other persons’ characters are posted without the copyright holders’ authorization (namely illegal images), does not constitute copyright infringement.

This means that screenshots in which illegal images appear do not infringe copyright, provided that the illegal images are captured incidentally. Please bear in mind that capturing screenshots in which illegal images appear as a principal part of the image, or the act of copying other persons’ characters, does infringe copyright.

奥田百子

東京都生まれ、翻訳家、執筆家、弁理士、株式会社インターブックス顧問
大学卒業の翌年、弁理士登録
2005〜2007年に工業所有権審議会臨時委員(弁理士試験委員)

著書

  • もう知らないではすまされない著作権
  • ゼロからできるアメリカ特許取得の実務と英語
  • 特許翻訳のテクニック
  • なるほど図解著作権法のしくみ
  • 国際特許出願マニュアル
  • なるほど図解商標法のしくみ
  • なるほど図解特許法のしくみ
  • こんなにおもしろい弁理士の仕事
  • だれでも弁理士になれる本
  • 改正・米国特許法のポイント